【野球】ロッテに新加入した鳥谷がもたらした絶大な効果とは
昨季限りで阪神を退団してロッテに新加入した鳥谷敬内野手(38)。阪神の球団史上最多となる2085本の安打を積み重ね、プロ野球歴代2位の1939試合連続出場記録を誇るレジェンド。現在、2軍調整中のベテランがチームにもたらす絶大な効果とは-。
阪神を退団後、NPB他球団への移籍にこだわった鳥谷。3月に入って新天地が決まり、2月の約1カ月間の春季キャンプにも参加していない。このためロッテ入団以来、2軍で調整を続けてきた。
2軍練習試合に9試合スタメン出場。遊撃、三塁、二塁の3つのポジションをこなし、計31打席に立ち7安打。27日の2軍練習試合・西武戦(浦和)を視察した井口監督は「(1軍合流の時期は)全然、決まってないです。他の選手よりは全然、実戦を積めてない。数多く打席に立たせようと思ってます」と説明。今後も2軍で調整させる方針だ。
10日にロッテ入団が発表されて約半月。鳥谷は、早くもチームに“貢献”している。ベテランの姿勢を目の当たりにした2軍の若手に与える好影響だ。鳥谷と阪神時代のチームメートでもある今岡2軍監督は「全ての姿を若手が見て何かを感じて学んでほしい」と期待してきたが、実際にその通りになった。
「自分自身は常に準備を大切にしている。試合の結果だけでなく、そういう姿を(ロッテの若手に)見せられればと思います」と語ってきた鳥谷。ホームの2軍練習試合では若手らと同じ午前9時前後から球場のグラウンドで入念に体を動かす。練習量、取り組む姿勢、準備の心得。若手の最高のお手本になっている。
今岡2軍監督は「朝、来たときから試合が終わってウエートしたり。(若手は)ほとんどの時間(の鳥谷)を見ている。間違いなく化学反応は起きてます。いい影響はグラウンドに出ているときだけじゃない」と証言。練習の合間には若手らと積極的に会話をし、試合では、ピンチを迎えたマウンドの投手に駆け寄り、声をかける。まさに兄貴分的な存在だ。
球団は戦力としてはもちろん、若手を引っ張る存在としても期待し、鳥谷の獲得を決めた。野手では3年目の安田、2年目の藤原ら、投手ではドラフト1位・佐々木朗(大船渡)らロッテの未来を背負う若手有望株がそろう。今季でプロ17年目。“レジェンド”の言動が、今後もチームに絶大な効果を与えることは間違いない。(デイリースポーツ・伊藤玄門)