【芸能】映画界が恐れる“Xデー” ウイルス感染者が劇場から出たら…

 世界各地で新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される中、日本映画界にも少しずつ脅威が迫っている。映画関係者たちは遠くない未来に訪れるかもしれない“Xデー”におびえを隠せないでいる。

 今年は56年ぶりの東京五輪。映画各社が夏休みの学生をターゲットに力を入れる7~8月にかけて大会が開催される。大会とのバッティングで客足が遠のき、興行収入が伸び悩む要因となりうるため、各社は公開日を前後に倒すなど事前に対策を練って冷静に対応してきた。

 しかし、新型コロナウイルスが世界中で猛威をふるうという想定外の事態が勃発。飛沫(ひまつ)感染や接触感染を避けるためにライブやイベントの中止が相次ぎ、「映画ドラえもん のび太の新恐竜」「映画しまじろう しまじろうと そらとぶふね」も公開延期が決まった。

 映画関係者は「今年は家族そろって劇場に来てもらえるアニメ作品が多い。五輪で公開日を調整していることに加え、公開間近で流行してしまったら打撃を受けることはまちがいない」と憂えた。

 海外渡航歴のない日本人の市中感染が増え始めたことで、ネット上では「満員電車怖い」「人混み怖い」と不安が連鎖。中国やイタリアで映画館が閉鎖されたほか、大阪のライブハウスでは感染者が発生。ライブハウスと同じ閉鎖空間での商売を生業とする映画界からは悲痛な叫び声が聞こえてきた。

 「映画館も危ないと思われる日が来るかもしれない。それが一番怖い。もし感染者が劇場で出たら休館することも考えられる。今は感染者が増えないことを祈るだけ。大型作品が待機している状況で先が見えない」(別の映画関係者)。新型コロナ渦で劇場から人が消える“Xデー”を回避できるのか、不安が漏れる。

 昨年度の日本全国年間興行収入は、2611億8000万円(前年比117・4%)と過去最高記録を樹立。「天気の子」「名探偵コナン 紺青の拳」など多数のヒット作が生まれた豊作年だった。この流れを持続させるべく、日本映画界は「ウイルス」という見えない敵との望まない戦いを迫られる。(デイリースポーツ・宮田真衣)

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