【スポーツ】V7王者寺地拳四朗 KO率急上昇の秘訣はタイミングと脱力

 12月23日に横浜アリーナで行われたWBC世界ライトフライ級タイトルマッチで、王者の寺地拳四朗(27)=BMB=が同級12位で元WBA世界同級暫定王者ランディ・ペタルコリン(27)=フィリピン=を4回TKOで退け、7度目の防衛に成功した。

 7度の防衛戦で5度目のKO勝利。防衛戦でのKO率は71%を超えた。17年5月にプロ10戦目でガニガン・ロペス(メキシコ)から王座を奪取した当時のKO率はちょうど50%。それから2年半でKO率は跳ね上がった。

 秘訣を問われると、寺地は少し首をかしげながら「タイミング?あとは力まないというのは大事」と説明した。試合に向けて練習を開始した時にはミット打ちでもスパーリングでも力みがあるというが、練習を重ねるごとに力みがなくなり、試合直前には「ずっとミット(打ち)ができるくらい」まで力が抜けてくるという。

 ペタルコリン戦では執拗なボディー攻撃で何度も挑戦者の腹部をえぐり、4度もひざまずかせた。一夜明けた24日の会見では、力みの無さを証明するように、筋肉痛も全くないと明かし「脱力して試合ができた」ことを収穫に挙げた。

 寺地を指導する三迫ジムの加藤健太トレーナーはKO増加について「倒すまでの流れが分かってきた。『このパンチが良くなった』という感覚はないが、相手にダメージを蓄積させるまでの流れが明確にあるので、結果(相手が)倒れるという感じ」と解説した。

 2回には挑戦者の左をもらう場面もあったが、元々距離感は抜群で、前後の出入りは芸術的でもある。被弾の少なさは長期政権を築く上で欠かせない。「これからもKOしたいけど、KOを狙いにいかず倒すボクシングをする。(パンチを)もらわないように、誰もが見られる、痛そうじゃない試合をしたい」と理想を描いた。

 17勝(11KO)無敗でV7を達成。安定王者の域に入り、具志堅用高の持つ世界王座13度防衛の日本記録更新を虎視眈々と狙う。もっと評価されていい、もっと世に知られていいボクサーであることは間違いない。(デイリースポーツ・山本直弘)

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