【野球】過去の主な人的補償、新天地でタイトル獲得した選手も

 オリックスから国内FA権を行使した西勇輝投手が阪神入りを表明。これで今季のFA移籍は、丸佳浩が広島から巨人、浅村栄斗が西武から楽天、炭谷銀仁朗が西武から巨人へ。FA選手の旧所属球団内での年俸ランクによっては人的補償が発生するケースもあり、今年も注目が集まる。そこで過去の主な人的補償選手を振り返る。(敬称略)

 人的補償となった最初の選手は、巨人・川辺忠義だった。95年オフ、日本ハム・河野博文が巨人にFA移籍したことに伴ってのものだった。

 川辺は川崎製鉄千葉から89年度ドラフト2位で巨人に入団し、95年まで1軍登板なし。日本ハムに移籍した96年5月12日・近鉄戦でプロ初登板初先発。結果は敗戦投手だったものの、同19日のロッテ戦で初勝利。この年は17試合で1勝3敗、防御率4・89。以降、1軍登板はなく現役を退くことになった。

 横浜・門倉健は06年にFAで巨人へ。工藤公康が人的補償となって横浜へ移った。

 06年の工藤は先発13試合で3勝2敗、防御率4・50。横浜初年度の翌07年は19試合で7勝6敗、防御率3・91の成績を挙げた。一方、06年の門倉は28試合で10勝9敗、防御率4・87。翌07年は12試合で1勝5敗、防御率5・97だった。

 07年オフ、西武からヤクルトに渡った福地寿樹は2年連続で盗塁王に輝いた。石井一久のFA移籍に伴って、ヤクルトに移り08、09年共に42盗塁をマークしてタイトルを獲得。打撃でも08年に打率・320、9本塁打61打点。自己最高の数字だった。

 同じく07年オフ、広島・新井貴浩の阪神移籍に伴い、赤松真人が広島へ。赤松は翌08年、これまでよりも1軍出場試合数を大きく伸ばして、125試合で打率・257、7本塁打、24打点。12盗塁をマークした。

 ソフトバンクで抑えを務めていた馬原孝浩は12年に人的補償でオリックスへ。寺原隼人のFA移籍によるもので右肩手術からの完全復活を目指していた。

 12年は登板がなく、移籍初年度の13年は登板3試合。ただ、翌14年は、55試合の登板で1勝4敗32ホールド、防御率3・55の成績を残した。

 新たな所属球団で、飛躍的な活躍を見せたのは巨人から広島に移った一岡竜司。13年オフ、大竹寛のFA移籍で新天地へ。巨人時代の2シーズンでは13試合で0勝0敗。ところが、広島初年度の14年は31試合で2勝0敗2セーブ16ホールド、防御率0・58。さらに、17&18年はいずれも登板59試合でブルペン陣を支えた。

 【FA選手獲得時の旧球団への補償】

 FA獲得選手の年俸が旧球団で上位1~3位(Aクラス)の場合、移籍先球団は旧球団へ人的補償+年俸50%、もしくは年俸80%

 FA獲得選手の年俸が旧球団で上位4~10位(Bクラス)の場合、移籍先球団は旧球団へ人的補償+年俸40%、もしくは年俸60%

 FA獲得選手の年俸が旧球団で上位11位以下(Cクラス)の場合、人的、金銭共に不要。

 人的補償は、プロテクト選手28人と外国人選手、直近ドラフト獲得選手を除いた選手が対象。(デイリースポーツ・記録係)

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