【野球】元ヤクルトの日本ハム通訳・フェルナンデスさんがNPB復帰に挑戦する理由 

 秋季練習が終わり、選手が誰もいなくなったグラウンドで一人黙々と外野を走る裏方さんがいた。今季途中から、日本ハムの通訳として入団したラファエル・フェルナンデスさん。今年の11月15日に行われる合同トライアウト受験のために、千葉・鎌ケ谷の施設で自主トレに取り組んでいる。

 今季中も業務の傍ら、走り込みや、投げ込みを行ってきた。秋季練習でも通訳として働いた後は、トレーニングに励む日々だ。

 フェルナンデスさんは母国のブラジルを離れ、日本に留学し、白鴎大からヤクルト入り。08年に育成枠でドラフト指名された後、11年に支配下登録。12年7月にはプロ1勝を挙げた。今年で31歳になったフェルナンデスさん。なぜ、厳しい道を目指そうとするのか。「試合の時にみんなと味わう喜びは、スタッフ側とでは全然、違う。もちろん裏方として、チームが勝つとうれしいですけど、みんなの中でワイワイはいれないので。選手として喜びたいのはあります」。あの時の喜び、感動をもう1度、味わうためと、NPB復帰を目指している。

 ヤクルトを戦力外された後も野球への情熱は衰えていなかった。その後は独立リーグ、クラブチームでプレー。かつては150キロ近い直球を武器としていたが、若手時代のような投球ではない制球のよさをアピールし、合格を目指す。「野球はどんどん、変わっている。コンディショニング、新しい投げ方とか、自分にいいエクササイズも取り入れてやっている」。日本ハムでの通訳として1軍選手の動きやコーチの姿を見て、学ぶべきことは多くあった。仲間から学んだことが野球を続ける上での財産となっている。

 13年のWBCではブラジル代表の投手として、チームを支え、戦った経験もまた、大きな舞台に立ちたいという思いにさせるという。「まだまだ、できますっていうところを見せたい。メジャーリーガーに投げていたのでできる自信はあります。それをどこかのチームが気づいてくれれば」と強気に言う。

 チームメートからの激励も受け、なんとか合格をと意気込む。「チャンスはどこにあるのか誰も分からない。できることをやって、悔いのないように必死に投げたい」。チャレンジ精神を前面に出し、夢をつかむことを願いたい。(デイリースポーツ・水足丈夫)

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