【野球】広島 辞書とミットでチームを支えるクレートさん「みんなと優勝したい」

6月3日のロッテ戦で、プロ初打席初本塁打を記録したバティスタ(右)と共にお立ち台にあがる広島のクレート通訳=マツダスタジアム(撮影・吉澤敬太)
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 選手を懸命に支える広島・ブルペン捕手兼通訳のヘンディ・クレートさん(33)が話題となっている。注目されるようになったのは、3日・ロッテ戦(マツダ)。初打席初本塁打と衝撃デビューを果たしたバティスタの通訳としてお立ち台に上がったことがきっかけだ。

 バティスタの話すスペイン語から日本語に翻訳する際、口癖である「やっぱり-」を何度も繰り返した。片言で一生懸命助っ人の言葉を伝える姿勢にスタンドからは暖かい声援が送られ、一瞬で鯉党に愛される存在となった。

 普段はすらすらと話す日本語。片言になったことについて「こんなに早く来るとは思わなかった。緊張しました」と振り返った。続けて「これからもっと日本語を勉強して選手の思っていることをしっかり伝えていきたい」とリベンジに意欲を示す。

 来日10年目。ロッキーズのアカデミーを経てカープアカデミー入り、07年にブルペン捕手として来日した。スペイン語が母国語で、英語も話すことができる。日本語は来日とともに広島市内の専門学校で5年間勉強。「敬語もそうだけど、あとは英語と並びが違うから単語をどう並べたらいいのかが難しいね」。現在は辞書やスマートフォンのアプリなどを駆使しながら独学で学んでいる。

 慣れない地で日々奮闘しているクレートさん。母国には妻・サンタさん(31)と息子のジョルダンくん(4)、ハシエルくん(0)がいる2児の父親だ。毎年1度、約2日間をかけて帰国。春季キャンプに備えて1月下旬には来日するため、1カ月ほどしか滞在できないが「寂しい気持ちもあるが、ほぼ毎日連絡は取り合っている。息子たちはまだ小さいですが、野球をやってもらいたい」と笑みを浮かべた。

 選手とスタッフ、立場は違うが目指す所は同じだ。「バティ(バティスタ)や(育成の)メヒアなどドミニカの選手をサポートしたい。僕は日本に来て長いから経験した色んなことを教えてあげたい。そしてみんなと優勝したい」。リーグ連覇、日本一へ。チームの一員としてフル回転する。(デイリースポーツ・井上慎也)

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