【野球】デイリー特命スカウトのドラフト展望 清宮1位指名めぐり激化する各球団の情報戦

 今月26日にプロ野球ドラフト会議が行われる。プロ入りを希望する選手に義務づけられた「プロ野球志望届」は210人(高校106人、大学104人)が届け出た。中でも高校通算111本塁打の新記録を作った早実・清宮幸太郎内野手(3年)に何球団が競合するかは大きな注目点だ。デイリースポーツ紙上でおなじみの「デイリー特命スカウト」は、例年以上に各球団の情報戦が激化すると占った。

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 今年のドラフトは特に各球団の調査力が問われるだろう。例えば、清宮君に10球団が競合すれば、クジに外れても各球団はほぼ同じ状況で仕切り直し。しかし、3球団の競合なら有力選手の多くが、1位で先に取られてしまう。これは痛い。

 すでに広島は広陵の中村君を1位指名と公言しているが、現状で清宮君を指名すると見せている球団でも、他で一本釣りする可能性も捨てられない。メジャー指向が強い清宮君だけに、ポスティングについて各球団がどのような見解を持っているかも関わってくる。

 では、これほどの“清宮人気”はなぜか。スイングスピードや飛距離。人気と実力を兼ね備えてファンの動員が見込める。即戦力の可能性があり、少なくとも将来クリーンアップは打てるだろう。守備や足に関して課題はあるが、本塁打があれだけ打てれば問題ない。これらはよく挙げられているが、彼に関してはもう一つ大きな理由があると思う。

 これまでのドラフト1位クラスには2通りある。早熟タイプと大器晩成タイプだ。ただ、早熟の場合は意外に早く成長が止まってしまうことが多く、大器晩成は当然結果が出るのが遅い。しかし、清宮はそのどちらでもない。いや、むしろどちらでもあると言うべきか。

 東京北砂リトルで世界一になった時からわれわれスカウトはマークし続けてきたが、その目の前で彼は順調に成長を続けてきた。1年夏に甲子園に出た時には手首をこねるような打撃で外角球も見えておらず、成長もここまでかと思ったものだが、その後すぐに修正した。

 今では体重100キロを超え、体格的にはすでに“完成品”。打球には成熟したプロ野球選手ばりの破壊力がある。それでもまだ18歳。どこまで伸びるのかと各球団が期待するのも無理はない。

 何球団が競合するかは、清宮君を獲得できるか否かだけでなく、外れ1位以下の戦略にも大きく影響する。それだけに、各球団ともギリギリまで頭を悩ませるところだろう。(デイリー特命スカウト)

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