【野球】広島の“ポスト黒田”候補に浮上 ドラ1右腕、加藤

 キャンプ中盤から、広島のドラフト1位・加藤(慶大)の評価が急上昇している。武器は威力のある直球だ。足を高く上げ、勢いよく右腕を振り下ろす。ダイナミックなフォームは威圧感たっぷり。だがキャンプ序盤まで評価が分かれていた。ブルペンで球威はあるものの、制球にばらつきが見られたためだ。

 そうした中、畝投手コーチは「低めへの直球」に活躍する可能性を感じていたという。多少制球に難があっても、低めへの直球はズバッと決まる。「これはやるかも」と、予感めいたものがあったそうだ。その期待通り、右腕は実戦登板で期待に応えていく。

 実戦初登板した13日・紅白戦(日南)では同級生・鈴木のバットを剛球で粉砕。続く19日・紅白戦(日南)はボール先行の場面でスライダーを投じてカウントを整えるなど、新たな一面を披露した。同試合で鈴木を空振り三振に斬った球種も、フォークだった。

 「変化球でカウントを取れたら真っすぐが生きる。真っすぐ待ちのバッターはバットを振れなくなる」

 19日の試合後、他球団のスコアラーは口をそろえた。緒方監督も、「低めへの直球が良かった」と評価した。対外試合初登板初先発した24日・ロッテ戦(コザ)も2回無失点。三者連続三振を奪うなど、登板を重ねる度、マウンドで強烈な印象を残している。

 ルーキーらしからぬ堂々たる態度も、右腕の持ち味だ。安仁屋臨時投手コーチは「強気な子」と表現。チーム宿舎のホテルで一緒に食事したこともあり、「ひょうきんなところもあるんだ」、「一風変わっているけど、聞く耳は持っているよ」とルーキーをかわいがっているようだ。

 いよいよ開幕ローテが視界に入ってきた。今キャンプのテーマは“ポスト黒田”探しに他ならない。加藤に負けじと、ドラフト3位・床田(中部学院大)も好投を続けている。畝投手コーチから「投球術を持っている」と評価され、先発左腕不足に悩むチームにとって頼もしい存在だ。

 緒方監督はルーキー2人を「シーズンでも戦力になるという思いがある」と構想に入れ始めた。ルーキー2人がローテに食い込めるか。キャンプ後半からオープン戦にかけて、注目だ。(デイリースポーツ・杉原史恭) 

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