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やしきたかじんさんの隠された出自とは

2014年9月9日

 壇上に立つ「ゆめいらんかね やしきたかじん伝」の著者・角岡伸彦氏=東京會舘

 壇上に立つ「ゆめいらんかね やしきたかじん伝」の著者・角岡伸彦氏=東京會舘

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 個人的なお薦めは2作目の「ホルモン奉行」(03年、解放出版社~現在は新潮文庫)。日本、韓国から世界各国のホルモン料理を自分の足と舌とポップな筆致で追究したグルメ本として楽しみながら、臓物という食品が生産される地域や背景が自然と気になってくる。声高に何かを訴えなくとも、その行間から“分かる人には分かる”ことがジワリと伝わるし、その時はピンとこなくても、ヨダレをたらしながらハフハフと読んだ後になって、「あ、アレって、そういうことやったんや…」と気づかせる。そんな本も書いた人だ。

 閑話休題。8月末に都内で行われた贈呈式に伺った。角岡氏はツボを押さえた漫談調の関西弁トークで東京の業界人を沸かせ、落語でいう“マクラ”の部分だけで「受賞者あいさつ」の予定時間を越えてしまった。選考委員の作家・椎名誠氏は「テレビでしゃべるとか、別の方向があるんじゃないですか?」と、なぜかタレント性を評価(?)。それはさておき、壇上のスピーチは想定外の“延長戦”に入り、そこで本書の核心が語られた。

 角岡氏が「やしきたかじんさんの父は在日韓国人1世で…」と、これまで公には語られてこなかった文言を発した瞬間、会場の空気がキュッと引き締まった。さらに同氏は言葉を続けた。「(世の中で)あまり知られていないこと、たかじんさんが隠していたことを書くということは、すごいプレッシャーでした。僕自身は部落出身ですが、人のルーツを書く時はナーバスにならざるを得ない」。99年に死去した実父の周辺取材は難航したという。今年1月3日のたかじんさん死去以降に取材を始め、応募締め切りが4月というタイトな日程。さまざまな制約もあり、踏み込めなかった部分もあって大賞は逃した。

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