【採点分析】フリーは同得点!ザギトワ、メドの超絶金メダル争い 後半まとめ飛び奏功

セレモニーを終え、コーチに肩を抱かれるアリーナ・ザギトワ(手前左)とエフゲニア・メドベージェワ(同右)=江陵(撮影・高部洋祐)
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 「平昌五輪・フィギュアスケート女子・FS」(23日、江陵アイスアリーナ)

 金メダル争いはロシア出身の2人による近年まれに見るハイレベルの争いとなった。優勝したアリーナ・ザギトワ(15)と銀メダルのエフゲニア・メドベージェワ(18)はフリーの得点はまったく同じ156・65点。SPでついた1・31点差がそのままメダルの色を決めるという接戦になった。ジャンプ、スピン、ステップシークエンス・コレオシークエンス、構成点と4つに分けて、両者の演技を比較した。

【(1)ジャンプ】

 ザギトワの演技構成の最大の特徴が基礎点が1・1倍となる後半にジャンプ7本を全て固める演技構成だ。この点が芸術性を損なっているという指摘も受けながらも今回も挑み、2本が0点台、5本で1点台の加点を得た。目立ったミスはなかった。

 メドベージェワは冒頭の3回転フリップ-3回転トーループの連続ジャンプと、後半の3回転サルコー-3回転トーループが得点源で、どちらも成功させ11点台をマーク。出来栄え点の部分だけなら8・47点のザギトワに対して9・7点とより高い評価を得たが、後半にまとめた分、ザギトワの基礎点の方が高く、ジャンプでは2・75点の差がついた。

【(2)スピン】

 両者とも3本のスピンはすべてレベル4を獲得した。基礎点の合計は同じで、出来栄え点を加味しても、両者の得点差は0・01点メドベージェワが上回っただけで違いはほぼなかった。

【(3)ステップシークエンス、コレオシークエンス】

 ステップシークエンスは両者ともレベル4。出来栄え点でメドベージェワが0・2点上回った。コレオシークエンスもメドベージェワが0・1点上回り、2つを合わせると0・3点メドベージェワが上回った。

 (1)から(3)までの合計が技術点となるが、ここまででザギトワが2・44点上回っている。

【(4)演技構成点】

 演技構成点はスケート技術、要素のつなぎ、動作、プログラムの構成、曲の解釈の5つそれぞれを9人のジャッジが10点満点で0・25点刻みで採点し、最高点と最低点を省いた7人の平均を求める。さらに、女子フリーの場合はこの数値に1・6をかけて各項目の得点を算出し、5項目の合計が演技構成点となる。

 技術、表現力の両面が問われるこの演技構成点で、メドベージェワは77・47点を獲得。ザギトワも高水準の75・03点を獲得したが、メドベージェワは動作や構成、曲の理解の3項目で10点をつけるジャッジが複数おり、2・44点メドベージェワが上回った。

 このため、フリーの得点差は0。SPの得点差は、ザギトワが高難度の3回転ルッツ-3回転ループの連続ジャンプを成功させていることなどが影響している。ただ、メドベージェワも技術面でさらに高い難易度の構成にする余地が残っており、2人の切磋琢磨はまだまだ続きそうだ。

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