内村、あの“栄光の架け橋”を超える!

 あの“栄光の架け橋”を超えてみせる‐。ロンドン五輪体操男子代表が26日、都内での強化合宿を公開した。団体金メダルを狙うエースの内村航平(23)=コナミ=は、04年アテネ五輪団体で金メダルを獲得した時の最終演技者、冨田洋之(現コーチ)の鉄棒を超える感動を与えると約束した。五輪開幕まで27日で1カ月。日本の絶対エースが、高らかに金メダル獲得を宣言した。

 団体金メダルを見据える今、内村が自らを重ねる演技がある。アテネ五輪男子団体決勝。鉄棒の最終演技者は、当時のエース冨田だった。伸身の新月面が完ぺきな軌道を描き、着地がピタリと決まった瞬間、日本は28年ぶりの金メダルを獲得した。高校1年生だった内村は、テレビに食いつきながらその光景を見ていた。団体への強い思いが宿った瞬間だった。

 不動のエースとして臨むロンドン。だからこそ、ある“使命”が湧き上がる。「今でも冨田さんのアテネの演技を見る。これを、おれもやらないといけないんだなって。あの時の冨田さん以上の演技をやらないといけないと思う」。NHKの刈屋富士雄アナウンサーによる『伸身の新月面が描く放物線は、栄光への架け橋だ!!』の名実況は記憶に新しい。内村も、日本五輪史に残る名場面をつくり出す覚悟だ。

 2度目の夢舞台まで1カ月。調整は極めて順調だ。この日も6種目すべてを通しで練習し、ほぼミスなく終えた。「状態は75%だけど、これだけ順調なことはこれまでにない。調子もすごく上がってきているので、これをあと1カ月維持できるか心配です」と、不敵に笑ってみせた。

 団体にすべてを懸けるために、負担の大きい種目別の跳馬出場はあきらめた。「本当に団体のことしか考えていない。普通にやれば勝てる」。内村が描く伸身の新月面は、果たしてどんなドラマを生み出すだろうか。

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