白井健三 落選も晴れ晴れ「清々しい」苦しんだ五輪2文字「昔の自分が邪魔だった」

 男子決勝ゆかで演技をする白井健三(代表撮影)
 男子決勝ゆかで演技を終え、観客席に手を振る白井健三(代表撮影)
 内村航平(左)と記念撮影を行った白井健三(撮影・堀内翔)
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 「体操・全日本種目別選手権」(6日、高崎アリーナ)

 東京五輪代表国内最終選考会が終了し、リオデジャネイロ五輪団体金メダルメンバーの白井健三(24)=日体大教員=と、田中佑典(31)=コナミ=の落選が決まった。

 リオ五輪以降、17年世界選手権では床と跳馬で金メダルを獲得。個人総合で銅メダルに輝くなど東京五輪のエースとしての期待が懸かった白井だが、その後は度重なる負傷もあり、選考会では苦戦。この日、得意の床で2位となり復調をみせたが、届かなかった。

 それでも演技後は晴れ晴れとした表情を魅せた。「2種目演技できた喜びが大きい。全日本、NHK杯の結果もあって、五輪選考会という考えは全くなかった。この大会は初めて世界にいった舞台。思い出深い舞台でしっかりとした演技をみせたいと思っていた。自分の演技ができた。幸せです。すごく清々しい」と、笑顔でうなずいた。

 「五輪」の2文字に苦しめられてきた。過去の自分と戻ってこない自分のパフォーマンスのギャップに苦しんできた。「五輪という文字が自分を邪魔していたし、昔の自分が邪魔だった。強くなった日本でも通用したかなとか。何度も思いましたし。でも、世界選手権金メダリストとか、それにすがっていても何も解決しない。過去の自分はもういない。レベルが上がっている今の日本を、素直に受け止めて、何をすればいいか考え出して、すごく楽になった。点数も理解して、五輪が絶対と考える必要ないと考え出して、楽になって、いい演技ができるようになった」。現状の自分を受け入れ、4月末からようやく吹っ切れて、復調に繋げた。

 今後については「何も考えていない」と話すに止めた。

 これで16年リオデジャネイロ五輪で金メダルを獲得した団体メンバーが全員姿を消すこととなった。

 1年延期による5年の時間と、リオ五輪までの5人から1人減った団体4人制の採用が、厳しい世代交代を導いた。前回大会の団体メンバーが全員入れ替わるのは、1984年ロサンゼルス五輪-1988年ソウル五輪以来33年ぶり。団体金メダルを獲得したチームのメンバーが次大会で総入れ替わりとなるのは史上初の出来事となった。

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