死闘舞台裏「僕は投げ続けると言った」男気の72球熱投 ド軍右腕は離脱左腕の思い背負う「彼は全員の心の中にいる」

 「ワールドシリーズ・第3戦、ドジャース6-5ブルージェイズ」(27日、ロサンゼルス)

 ドジャースが延長十八回、歴史的な死闘をサヨナラで制した。フレディ・フリーマン内野手が昨年のワールドシリーズに続きサヨナラ弾を放ち、6時間39分の死闘に終止符を打った。

 ドジャースの勝因のひとつが、八回以降を無失点に抑えたリリーフ陣。十五回から4イニングを無失点に抑えたウィル・クライン投手は「とにかく投げ続けるんだって思っていた。この試合は絶対に負けたくなかった」と振り返った。

 ロバーツ監督は現地中継局のインタビューで、十七回以降は野手を投げさせるとも話していたという。だが、マウンドに立ち続けたクラインは「僕は投げ続けるとだけ言いました。ベンチに戻るたび、『あと何回いける?』って聞かれて、『必要なだけいきます』と答えていました」と明かした。

 十八回表から山本由伸がブルペン待機していたことは当然、目にしていた。「フレディがホームランを打ってくれたので、結局どこまで投げるか分からなかった。ただ、山本が九回を投げた2日後にブルペンで準備していたなんて、正気ではない。彼も勝ちたいと思っていたし、みんな本当に勝ちたかった」とうなずいた。

 そう思う理由のひとつには、ブルペンを支えてきたベシアの存在がある。ワールドシリーズ前、家族の深刻な事情で離脱した左腕。クラインは帽子にベシアの背番号「51」を記し、マウンドに立った。「それについては彼らが話したい時に話してもらうのがいいと思う。ただ、僕たちは常に彼のことを思い、祈りを捧げている。野球よりも大切なことがあるし、彼は僕たち全員の心の中にいます」。離脱した仲間の思いも背負って投じた、72球だった。

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