イチロー氏 妻に感謝「自分にとって一番のチームメート」米殿堂入り“イチ流ジョーク”交え英語でスピーチ

 米大リーグのマリナーズなどで通算3089安打を放ち、アジア人で初めて米国野球殿堂入りしたイチローさん(51)が27日、ニューヨーク州クーパーズタウンで開かれた表彰式典に出席した。約20分の英語でのスピーチではジョークを交えて喜びを語り、博物館に設置されるレリーフも披露された。同時に殿堂入りした通算251勝のC・C・サバシアさんや、通算422セーブのビリー・ワグナーさんも出席した。

 「ベースボールの聖地」クーパーズタウンの屋外会場に集まった約3万人のファンは、ひときわ大きな喝采でレジェンドを迎えた。イチローさんは練習を重ねた英語でのスピーチで「米殿堂に入るのは私の目標ではなかった。でも今日、この場にいることは素晴らしい夢のようだ。素晴らしいチームに加えてもらい感謝しています」と笑顔で語った。

 降雨で開始が1時間ほど遅れたが、開催中には時折晴れ間がのぞいた。日本人野手として道を開いたメジャー挑戦について、デビュー当時を「大きいメジャーリーガーと戦うには細すぎだと言われた」と振り返り、「信念を貫けば乗り越えられる。私の義務は開幕日から(最終戦の)162試合目まで同じ情熱でプレーすることだと思っていた。シーズン最後のアウトが記録されるまで一切、荷造りも段ボールのテープ貼りも始めませんでした」と語った。また、日本選手の大リーグ挑戦の道を開いた野茂英雄さんには「野茂さん、ありがとうございました」と日本語で感謝を述べた。

 その中で、時折ジョークを交えたのも“イチ流”だ。選出の際に話題となったのは、アジア人で初という栄誉に加えて満票に1票足りなかったこと。決定直後には「1人投票してくれなかった方がいる。自宅に招待して一緒にお酒を飲みたい。名乗り出てシアトルまでお越しください」と呼びかけたが、この日は「ところで、あの記者を自宅での夕食に招待するのはたった今、期限切れとなりました」と笑わせた。

 式典では、「抜群の職業論理と比類なきバットコントロールで日本出身初の野手として大リーグに記録的な通算安打数をもたらした」との紹介文も刻まれたレリーフも披露され、ファンから「イチローコール」も沸き起こったほど。約20分のスピーチで、最後に感謝を伝えたのは見守った妻の弓子さん(59)だった。「彼女の力は全て自分を支え、励ますことに注がれていた。自分にとって一番のチームメートです」などと語ると、温かい拍手が送られた。

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