大谷翔平がスプラッシュ・ヒット「ボンズの映像をずっと見てきた」32号念願の一打 日本選手では初
「ジャイアンツ8-7ドジャース」(11日、サンフランシスコ)
ドジャースの大谷翔平投手(31)はジャイアンツ戦に「1番・指名打者」で出場し、三回に2試合ぶりの本塁打となる右越え32号2ランを放った。右翼席後方の海に飛び込む通称「スプラッシュ・ヒット」を日本選手として初めてマークした。チームは7-8で競り負け、8年ぶりの7連敗。大谷が先発登板する次戦に、連敗ストップの期待がかかる。
高々と舞い上がった打球の行方を見つめながら、ゆっくり走り始めた。1点を追う三回1死三塁。ジャイアンツのエース右腕ウェブの初球、内角のカットボールを鋭く振り抜いた。右翼ファンスのはるか上を越え、場外のマッコビー湾に飛び込んだ“スプラッシュ弾”。大谷は一塁ベースを回ったところで大歓声に応えるように右手を突き上げ、涼しい表情でダイヤモンドを一周した。
海上では、ボートでその瞬間を待っていたファンが本塁打球に群がる「争奪戦」が起きるおなじみの光景が広がった。
昨年5月14日もこの球場で一発を放ち、右中間席深くまで飛ばしたが、海には届かなかった。その時は「打った瞬間、(海に)いくかなと思ったが、いかなかった。ちょっと残念だったが、チャンスがあれば頑張りたい」と悔しがった。1年後に410フィート(約125メートル)の特大32号2ランで思いを果たした。
メジャー史上最多の762本塁打を誇るバリー・ボンズの象徴的なアーチが、35本放った“スプラッシュヒット”。「ボンズの映像をずっと見てきた」という大谷にとっては、念願の一打だった。2000年に開場以来、大谷が放った“スプラッシュヒット”は171本目(ビジターチームは65本目)で、日本選手では初。歴史にも、記憶にも残る一発となった。
ただ、この逆転アーチで奪ったリードは長く続かなかった。先発のメイが四回に逆転を許し、五回は打者一巡の猛攻を受けて6点差まで離された。その後に打線が懸命に追い上げたが、大谷も五回以降は出塁できず、11連敗した2017年9月以来、8年ぶりの7連敗を喫した。
2位・ジャイアンツに4ゲーム差に迫られる中、ロバーツ監督は「あすは翔平が投げるし、準備はできている」と次戦に視線を向けた。もうこれ以上は負けられない。大谷が投打で相手の勢いを食い止める。




