大谷翔平 追悼弾 長嶋さんに届けた23号 試合開始前の訃報…2ショット写真投稿「心よりご冥福をお祈りいたします」
「ドジャース3-4メッツ」(2日、ロサンゼルス)
ドジャースの大谷翔平投手(30)がロサンゼルスでのメッツ戦に「1番・指名打者」で出場し、七回に3試合ぶりの本塁打でメジャートップに並ぶ右越え23号ソロを放った。九回にも一時同点の左犠飛をマークしたが、チームは延長戦の末に敗れた。
劣勢で迎えた0-2の七回。右腕・クラニックが投じた初球のカーブをすくい上げた大谷は、夜空に高々と描いた放物線を目で追い、すぐに柵越えを確信したように何度もうなずいた。あまり見せたことのない、いつもとは異なる本塁打を確信するアクションだった。
打球は楽々と右翼フェンスを越え、「ミスタープロ野球」長嶋茂雄さんの訃報が伝えられた日に再びメジャートップに並ぶ23号ソロ。スコアボードにゼロが並び続けた重い展開に風穴をあけた一撃。打球初速183キロ、飛距離129メートル。年間62本塁打ペースとなる3試合ぶりのアーチは、反撃開始の一打となった。
1点を追った九回は1死一、三塁で打席に入った。苦手とするメッツの絶対的守護神・ディアスから左翼フェンス手前まで運び、犠飛で試合を振り出しに戻した。左翼方向へ打ち出した打球角度は本塁打を予感させる軌道だったが、あと少しだけフェンスオーバーには足りなかった。
それでも最初の3打席は2三振に好機で凡退と精彩を欠いていたが、終盤に2打点を挙げた姿に意地がのぞいた。
3月の東京開幕シリーズで直接会っていた長嶋さんの死去を受け、試合開始前には自身のインスタグラムに3枚の2ショット写真を投稿し、「心よりご冥福をお祈りいたします」と追悼の言葉を書き込み、臨んだ一戦だった。
チームの60試合終了時点で23本塁打は、球団最多記録となった。しかし、試合は延長戦の末に敗れ、大谷は言葉を残さず球場を後にした。ロバーツ監督は「勝ち切れなかったのは悔しい」と淡々と口にした。
大谷は接戦の試合中、同僚の一投一打に対して感情を表に出すシーンが目立った。なんとしても勝ちたいという貪欲な思い。長嶋さんの訃報に接した日に白星をささげることはできなかったが、大谷なりの思いをバットに乗せた。





