前田健太、“戦力外通告”の舞台裏 タイガース監督が本人の様子明かす「プロらしく受け止めていた」
米大リーグ、タイガースの前田健太投手が1日(日本時間2日)、メジャー登録40人枠から外され、事実上の戦力外扱いとなった。
メジャー10年目(在籍9年目)の今季は先発ローテーション復帰を目指したが、オープン戦で結果を残せず、救援陣の一員として開幕を迎えた。ここまで7試合に登板し、防御率7・88と本来の力を出し切れていなかった。
エンゼルス戦の試合前に取材に応じたヒンチ監督は、前田を構想外にした理由を「彼が苦しんでいる状況にあり、若い選手たちを昇格させたかった。前に進むために苦渋の決断を下さなければならなかった」と説明。前日の夜にアナハイムへ移動する飛行機の中でハリス球団編成本部長と話し合って決定し、一夜明けたたこの日朝、チーム宿舎で前田に会って通達したことを明かした。
前田は15年オフに広島からポスティングシステムを使ってドジャースと8年2500万ドル(約36億3000万円)で合意。19年オフにツインズへトレードで移籍し、21年には右肘靭帯再建手術を受けた。23年終了後に契約が満了し、FAになってタイガースと2年2400万ドル(約34億8000万円)の契約を結んだ。
昨季は開幕ローテーション入りを果たしたが、2勝5敗、防御率7・26と振るわず、中継ぎへ配置転換。シーズンの成績は3勝7敗、防御率6・09だった。契約最終年の今季も先発ローテ入りの目標はかなえることができずに1カ月を過ごしていた。
この日の前田の様子について「彼はプロらしくそれを受け止めていた。貢献できなかったことに悔しさを感じているようだった。私たちに感謝の言葉を伝えてくれたし、私たちも彼に感謝した。結果としてチームを離れることになったが、彼を指導できたことを誇りに思っている。このような形で終わるのは、誰にとってもフラストレーションの残るものだ」と指揮官。さらには「彼は自分の成績にフラストレーションを感じていましたが、とても礼儀正しく、率直に自分の状況について話してくれました。今年に限らず、昨年から調子を取り戻すのに苦労していると言っていた」と話した。





