広島・大瀬良 「本当に気持ちいい」マツダ46勝マエケン超え球団単独トップ「数を重ねて後輩たちの壁に」 “鉄人”衣笠さん命日
「広島7-1ヤクルト」(23日、マツダスタジアム)
ようやく“開幕”じゃ!広島の大瀬良大地投手(33)が7回6安打1失点の好投で今季初勝利を手にした。二回までに6点の大量援護を受け、110球の熱投。登板4試合目での白星は、大瀬良にとって本拠地通算46勝目となり、前田健太(現タイガース)を超えて球団歴代トップに立つメモリアルな1勝にもなった。チームは投打にわたって隙のない試合運びで快勝。貯金を今季最多タイの「5」とし、首位をがっちりキープした。
試合終了の瞬間、ようやく手にした1勝目をかみしめるように、右拳を握った。今季初めて上がったお立ち台で大瀬良が笑う。「本当に気持ちいいなという気持ちでいます」。この瞬間を待ちわびていたかのように、本拠地の大歓声が鯉のエースを包み込んだ。
初回から打線が爆発。二回までに6点の大量援護を受けた。「序盤からあれだけ点を取ってくれるのはありがたい」と余裕をもってマウンドへ。しかし、6点リードとなった直後の三回は「ちょっと変に考えすぎた」と2四球と安打で満塁のピンチを招くなど、決して調子は良くなかった。それでも試合をつくるのがエースたるゆえん。七回に1点を失うも最少失点で切り抜け、「なんとか粘り強く投げられたので、良かったんじゃないかなと思います」と7回6安打1失点の好投を振り返り、頬を緩めた。
偉大な先輩を超える1勝にもなった。この日の勝利でマツダスタジアム通算46勝目を挙げた右腕。並んでいた前田健太(現タイガース)を抜き去り、球団歴代トップに立った。「いろいろあったマウンドですけど、12球団で一番のマウンドだと思っている」とプロ入り後の12年間を思い返しながら、本拠地に対するリスペクトを最高の言葉で表現。「僕は僕で(勝ち)数を重ねて後輩たちの壁になれるように。まだまだいろんなところで名前を残せたらいい」を先を見据えた。
自身にとっても大きな白星だ。今季は試合前まで3試合に登板し、0勝1敗。好投を続けるながらも、報われない試合が続いていた。チームが首位を走る中でつかみ取った1勝。「やっと僕もスタートをしたかなみたいな気持ちになりました」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。
この日は18年に亡くなった“鉄人”衣笠祥雄さん(享年71)の命日。球団としても特別な日に快勝し、チームは首位をがっちりキープした。「もっともっと勝ちを積みかねていきたい。いい時ばかりじゃないと思うので、(チームが)苦しい時に僕がピッチングでチームを引っ張っていけるように。いろんな形で貢献したいなと思っています」と大瀬良。頼れるエースが投手陣を力強く引っ張っていく。




