ドジャース ムーキー・ベッツが勝利を渇望する理由「現役を終えて何年か経ったら…」スーパースターが望む未来
ドジャースのムーキー・ベッツ内野手が今年も先頭に立ってチームを鼓舞する姿が頻繁に見られる。9日(日本時間10日)のナショナルズ戦では、初回に生還した直後、2ランを放ってベンチに戻ってきたT・ヘルナンデスに満面の笑みでひまわりの種をかけ、祝福した。
開幕直前に体調不良に襲われ、体重が10キロ超減少するアクシデントがありながら、米国開幕に合わせ、チームのLA移転後新記録となる開幕8連勝に大きく貢献。それ以上にベンチで声を張り上げ、グラウンドで勝利にド派手なガッツポーズを見せる。誰よりも勝利を渇望するスーパースターの姿がドジャースのグラウンドにある。
その理由とは?ホワイトハウス訪問後にベッツが語った言葉があった。「こういうことは僕たちがこれから語り継いでいく物語だと思う。現役を終えて何年か経ったら、お互いに電話をしたり、どこかで会った時に話すようなこと。僕たちはそういう思い出になることをつくってきたし、つくろうとしている。もっとつくることができたらいいなと思います」と明かしていた。
現役引退後、仲間たちと語り合う思い出を作るために。いい思い出は勝つことでしか得られない。個人記録は個人でしか喜べないが、チームの勝利は全員で共有できる。ベッツの姿勢、言葉はその事実を凝縮しているようにも映る。
だからこそ2019年に訪問を拒否したホワイトハウスも今回、訪れた。事前に「昨季支えてくれた仲間と一緒にいたい」と理由を説明し「チームへの忠誠心であり、政治的な話ではない」と語っていたベッツ。「もしこのようなことがなかったら、ホワイトハウスに行くことはなかったと思います。ですから、そこに行く機会を得られたことは、もちろん恵まれたことであり、実際にそこを見るだけでも本当に幸せなこと。人々が予想しているものは全然違って素晴らしかった。行く機会があれば、間違いなく楽しめると思います」と感想を明かした。
ドジャースは開幕から10勝4敗と好スタートを切った。だがナ・リーグ西地区はライバルのパドレス、オープン戦のカクタスリーグで首位だったジャイアンツもスタートダッシュを決めている。ダイヤモンドバックスも貯金1をマークしており、同地区は史上稀に見るハイレベルな激戦の様相を呈している。
ワールドシリーズ連覇へ、9月までの長丁場をどう戦い抜いていくか。ベッツのどん欲な姿勢が原動力になるのは間違いない。