ヤンキース、超大型契約の投打主力が長期離脱 エースの右肘手術を正式発表 大谷と同じ執刀医 スタントン復帰時期見えず ともに年俸47億円超
昨季のア・リーグを制したヤンキースは10日(日本時間11日)、エースのゲリット・コール投手が11日(同12日)にロサンゼルス市内の病院でトミー・ジョン手術(右肘靭帯再建手術)を受けると発表した。執刀医はドジャースの大谷翔平投手が2度の右肘手術を受けた時と同じニール・エルトロッシュ医師。
コールは13年にパイレーツでメジャーデビューし、15年に19勝を挙げるなど、3年連続2桁勝利。リーグ屈指の右腕に成長し、アストロズ時代の19年には最優秀防御率と最多奪三振のタイトルを獲得した。
19年オフにアストロズからFAになり、ヤンキースと9年3億2400万ドル(約476億3000万円)で合意。移籍2年目の21年には最多勝、翌23年には自身2度目の最多奪三振をマーク。23年は2度目の最優秀防御率を残すとともに悲願だったサイ・ヤング賞を初めて受賞した。
しかし、昨季は右肘の炎症により開幕から負傷者リスト入り。6月に戦列復帰して17登板、8勝5敗、防御率3・41をマークし、ポストシーズンではリーグ優勝に貢献した。球団15年ぶりのワールドシリーズではドジャースに惨敗したが、2登板で防御率0・71をマークするなど、完全復活を印象づけた。
メジャー13年目の今季はオープン戦に2試合に登板。しかし、6日のツインズ戦で2被弾を含む5安打6失点で三回途中KOをされ、精密検査を受けた結果、右肘靭帯に損傷が見つかった。この日までセカンドオピニオンを待ったが、手術を回避することはできなかった。
ヤンキースの先発陣は昨季15勝のルイス・ヒルが広背筋痛で負傷者リスト入りしているほか、昨季5勝のクラーク・シュミットが腰痛でオープン戦未登板。コールが受けるトミー・ジョン手術は復帰まで1年以上を擁するため、今季復帰は絶望的な状況だ。
野手ではアーロン・ジャッジ外野手と並ぶチームの大砲、ジャンカルロ・スタントンが両肘痛で離脱中。症状が重く、復帰のめどは立っていない。ベテラン内野手のDJ・ラメ-ヒューもふくらはぎ痛のため、1日のオープン戦に出場しただけで実戦のフィールドには立ってない。
コールの年俸は今季を含めて28年まで毎年3600万ドル(約53億円)4年1億4400万ドル(約159億円)の契約を残している。スタントンはマーリンズ時代に結んだ13年3億2500万ドル(約477億8000万円)契約の11年目で、今季年俸は3200万ドル(約47億円)。また、6年9000万ドル(約132億3000万円)の契約を結んでいるラメ-ヒューは来季まで2年3000万ドル(約44億円)の契約がある。
覇権奪回を目指すヤンキースはオフにブレーブスからFAになった左腕マックス・フリードを8年2億1800万ドル(約320億円)で獲得し、カブスとのトレードで強打の一塁兼外野のコディ・ベリンジャーを打線に加えた。開幕前に投打の主力を失ったチームがリーグ連覇に向けて厳しいスタートを切ることになりそうだ。





