宝塚OGと轟悠が寺田瀧雄の名曲を想い込めて披露するコンサートが開幕

豪華な顔ぶれの宝塚歌劇団卒業生と、現役の専科・轟悠が、オーケストラの生演奏をバックに、寺田瀧雄氏のドラマティックな名曲を歌い上げる。『寺田瀧雄 没後20年メモリアルコンサート All His Dreams“愛”』が、6月26日に「梅田芸術劇場メインホール」(大阪市北区)で開幕した。

1956年の入団以来、寺田氏が手掛けた楽曲は芝居からショー作品まで約3000曲にのぼる。そのなかから厳選されたセットリストは、まさにそれぞれのスターを代表する曲の連続。メドレー的な流れではなくじっくりと聴かせる充実のコンサートで、その世界観の濃さに圧倒された。

昭和の『ベルサイユのばら』を率い「ベルばら四強」とも呼ばれた榛名由梨、鳳蘭、汀夏子、安奈淳が、久々にそろい踏み。美しいハーモニーで同作の「愛あればこそ」を披露すると、ひと際大きな拍手が起こる。寺田氏との思い出を語り合う場面では、名作曲家の温かい人柄がうかがえるエピソードも飛び出した。

また、初日の1幕ラストを飾ったのが、故大浦みずきが主演したショー『ジャンクション24』の「Dance With Me」。大浦と同期の剣幸、1991年当時の花組公演に出演していた安寿ミラ、真琴つばさがパワフルに歌い、朝海ひかるたちが白いコートを翻して踊るという、粋で感動的な演出が見られた。

2幕冒頭には、10月1日付での退団を発表している轟悠がボルドー色の衣裳で、寺田氏の遺作となった『凱旋門』より「金色の雨」と、「雨の凱旋門」を相手役だった月影瞳としっとりと歌唱(轟は大阪公演のみ出演)。

ほかにも初日には、瀬戸内美八、汐巴、寿ひずる、平みち、日向薫、杜けあき、涼風真世、麻路さき、白城あやか、湖月わたるらが出演し、懐かしいショー作品や植田紳爾氏、柴田侑宏氏の作品の楽曲を、ときに芝居もまじえながら聴かせる(出演者と楽曲は回替わり)。

タクトを握ったのは、寺田氏の愛弟子である吉田優子(吉は最初の3画が土が正式表記)。その後ろ姿に寺田氏の姿が重なって見えるような渾身の指揮で、イントロから引き込む数々の美しい旋律を紡いだ。

同コンサートは「梅田芸術劇場メインホール」にて27日まで。その後、「Bunkamura オーチャードホール」にて7月1日~2日におこなわれる。チケットはS席12000円ほか。

取材・文/小野寺亜紀 

(Lmaga.jp)

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