【高校野球7イニング制の意見交換会】大阪桐蔭・西谷監督「断固反対」栗山英樹氏「何かを考えないといけない時期ではある」

 夏の甲子園を目指す地方大会が各地で開幕した。一方で、熱中症などの懸念は年々強まっている。日本高野連は5月30日と6月6日に、7イニング制についての意見交換会を開催。大阪桐蔭・西谷浩一監督や仙台育英・須江航監督ら指導者のほか医学関係者や学者も参加した。「7イニング制等高校野球の諸課題検討会議」は昨年12月、2028年選抜大会をめどに導入が望ましいという最終報告書を出したが、アンケートでは加盟校の約7割が反対という数字も。溝を埋めるための試行錯誤が続いている。

 第1回討論会は、大阪桐蔭の西谷監督や日本ハムの栗山英樹チーフ・ベースボール・オフィサー(CBO)らが参加した。西谷監督は最終報告書を「何回も読ませていただきました」と話した上で、改めて「断固反対したい」と7イニング制に異議を唱えた。

 メジャーも日本プロ野球も大学野球も9イニングのままであることを挙げ、「高校野球だけとなれば、高校野球の価値が下がり、ファンを失い、子どもたちのやりがいもなくなる」と考えを語った。その上で「脳みそがちぎれるくらいは考えられていないのではないか」と指摘した。

 球界以外の専門家から違う角度からの意見も出た。法学者の谷口真由美氏は、西谷監督の言葉を受け「説明の丁寧さが現場の方には届いていないのを感じた」と話した。

 スポーツ法政策を専門とする川井圭司氏は、誰が決めるべきかに着目。「構成員が責任を持って決定すべき。高野連の構成員とは学校。学校が責任を持って結論を出すことが自主、自治につながる」とした。アメリカでは学校スポーツの意思決定は、学校の教員が行っていることも説明。ただ、高校野球はメディアとともに社会の文化に発展した特殊構造があるゆえの難しさがあるとした。

 長年野球界に携わる栗山CBOは「僕だって9回をやりたい」と思いを述べながらも、「何かを考えないといけない時期ではあると思う」と冷静に現状を見つめた。

 ▽7イニング制議論の主な経緯

 ◆2024年8月 日本高野連が「高校野球7イニング制に関するワーキンググループ」設置を発表。

 ◆25年1月 大阪市内で「7イニング制等高校野球の諸課題検討会議」第1回開催。DH制の導入について検討。

 ◆同2月 滋賀県で開催の国民スポーツ大会高等学校野球競技(硬式、軟式)で7イニング制導入を決定。

 ◆同12月 高野連理事会で7イニング制の導入について話し合ったが結論は出ず。「-高校野球の諸課題検討会議」から「28年からの導入が望ましい」「大会に同一校から複数チーム参加のプラン」などの報告書。

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