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チャリティ・プロレス・ディナーショー!

2014年12月19日

入場曲を歌う深見東州氏(写真左から2番目)と初代タイガーマスク(左から3番目)

 「東京芸術財団」が主催する「X'mas チャリティ・プロレス・ディナーショー!」が9日、東京都文京区の「ホテル椿山荘東京 オリオン」で行われ、参加者は一足早い聖夜に酔いしれた。第1部では、同財団の深見東州会長が艶のあるハイバリトンでクリスマスソングの数々を熱唱。第2部では伝説の虎・初代タイガーマスクや第64代横綱・曙、あの「極悪同盟」の総帥・ダンプ松本らが会場狭しと暴れ回り、場内は興奮のるつぼと化した。静寂の庭とおいしい料理の「序」、すてきな音楽と歌の「破」、そして激しい熱狂を生んだプロレスの「急」。能楽師でもある深見氏がプロデュースした能の神髄「序破急」は、まさに夢の贈り物だった。

 

燃えた!!椿山荘

 陳腐な表現しかできない自分がもどかしい。子供のころだった。クリスマスイブの夜。枕元に置かれた、お菓子がいっぱい詰まった「不二家」の赤いブーツ。目が覚めて、そのプレゼントに狂喜乱舞したことがある。手を突っ込むたびに、今度はどんなキャンディーやお菓子が出てくるのだろう?記憶の奥底にしまっていた、そんなセピア色の出来事を思い出した。

 次に何が飛び出してくるのか、分からない。歌とプロレスの夢の競演。会場を埋め尽くした520人の観客は、時間(とき)が刻まれていくのも忘れ、立ち上がり、そして歓声を上げた。

 数々の激動・動乱をくぐり抜けてきた、明治の元勲・山縣有朋の屋敷だった「椿山荘」。その敷地内で「プロレス維新」ともいえる激しいバトルが演じられた。

殺人技フルコース

 第2部。プロレスの第4ラウンドでは、1980年代前半、全国に一大ブームを巻き起こし、時代に愛された男、伝説の虎・初代タイガーマスクが、リングで咆哮(ほうこう)。みちのくプロレスの特攻隊長・日向寺塁を完膚なきまでに、たたきのめした。

 フライングクロスアタックから、タイガードライバー、そして、ツームストンパイルドライバーで3カウントを奪う完璧すぎるフィニッシュ。殺人技フルコースに、鼓動が速くなり、体中をアドレナリンが駆け巡る感覚を味わった。

 第3ラウンドではアッパーブローを得意技とするザ・グレート・カブキと天龍源一郎という2人のレジェンドの対決に、圧倒された。声も出せず、固唾(かたず)をのんで試合の行く末を見守るしかなかった。

一夜限りの復活

 第2ラウンドでは史上初の外国人横綱として、若乃花、貴乃花の兄弟の前に聳(そび)え立った曙が、全日本プロレスの人気者のSUSHIを、その体で圧殺してみせた。

 そして、第1ラウンドではかつて残酷の限りを尽くした、女子プロ界一のヒール軍団の総帥・ダンプ松本とその盟友として暴れ回った「獄門党」の女帝・ブル中野が、夢の一夜限りの復活だ。井上京子&三田英津子&Sareeeを相手に、竹刀とヌンチャクを手に大立ち回りを演じ、会場を恐怖のどん底に陥れた。テレビ創成期のころ、誰もが街頭テレビの前に立ち、力道山とシャープ兄弟の激闘に心を躍らせた。そのシーンが時空を超え、平成のちょっぴり早い聖夜によみがえった。

まるでサッチモ

 プロレスに先駆けて、深見氏が集まった人たちを魅了した。「君のいないメリークリスマス」から始まった、3曲の「僕も年齢を重ねてオジジになった。だからオリジナルならぬオジジナル曲」は圧巻だった。甘いハイバリトンに、パンチの利いたシンバル、そして腹部に響くドラムのコラボ…。クリスマスメドレーでは「納豆菌は体にいいから」とギャグをかまし、ナット・キング・コールを讃える。そして、あのサッチモことルイ・アームストロングが歌った「What a Wonderful World」に、独自の世界観を込めた。エディット・ピアフがフランス語で奏で、サッチモが英語で歌った「バラ色の人生」をしっとりと歌い上げ、さらにユーミンの名曲「恋人がサンタクロース」では総立ちにさせた。

チャリティの蛍火

 パーティードレスや着物で身を包んだ女性客がリズムに合わせて踊りだす。そこには、かつてのダンスホールやディスコ、いや今でいうクラブにも勝るとも劣らない空間が生まれていた。

 第1部の最後は「きよしこの夜」。それからのプロレス。深見氏は「なぜ、歌の後にプロレスなのか?それは清濁併せのむからです」と説明したが、その言葉にうそはなかった。これまでにない演出で、1+1のはずのディナーショーが∞(無限大)に広がった。

 第1部、第2部、すべての終了後、深見氏は「来年も、ディナーショーでプロレスをやります」と高らかに宣言した。「椿山荘」の夏の名物は蛍。そこに、冬の名物として「チャリティの蛍火」が加わることになった。(今野良彦)

 



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