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「新春 ジャズの一人祭典!」深見氏のJAZZYな声に酔いしれた

2015年1月21日

名曲を甘く歌い上げる深見東州氏

 まさに、「What a Wonderful World~この素晴らしき世界~」だ。「新春 ジャズの一人祭典!」が15日、東京都中野区の「中野サンプラザホール」で行われ、2000人を超す大観衆はjazzyな夜に酔いしれた。今コンサートは〝進撃の阪神ジャズ歌手〟とも呼ばれる「一般財団法人 東京芸術財団」の会長・深見東州(半田晴久)氏が、その類いまれなビート感覚、スイング感覚、そしてセクシーボイスでジャズのスタンダードナンバーを中心に歌いまくる一大イベント。サッチモことルイ・アームストロングやトニー・ベネットら、ジャズ界の巨人シンガーをも凌(しの)ぐ歌声、さらに「聖者の行進」で場内を練り歩くサービスもあり、深見ファンにとってちょっと遅めのお年玉となった。音響の良さでは都内屈指といわれる、コンサートの殿堂は、小雨の降る寒い夜ながら、最後の最後まで熱気に包まれていた。 

ジャズは退屈だ、分からないという人がいる。だが、深見氏が歌うジャズはある意味、簡単だ。

 あのタモリが自分の番組「ヨルタモリ」という番組で、こう持論を展開していた。「ジャズという音楽はない。ジャズな人がいるだけ。ジャズな人がやる音楽はジャズになる」―と。深見氏は、まさにジャズな人だからだ。だから、どんな歌もジャズになる。そう実感させられた。オペラ歌手として、譜面通りに歌ったと思えば、曲中にスイングしたり、メロディーに変化を与え、フェイクする。まさに、ジャズだ。

 曲ごとに、聞くものを違った世界へといざなった。これまでの「進撃の阪神巨人」シリーズとは違った、また別の世界観をタップリとプレゼントしてくれた。

 柄の入った白いジャケット、黒いパンツ姿で登場した深見氏は「ジャズは真面目に聞きすぎてはダメ。緊張して聞いてはダメですよ。緊張は夏だけです。だって緊張(金鳥蚊取り線香)の夏ですから」とお得意のギャグで、コンサートをスタートさせた。「A列車がダメならB列車で」と重ね、オープニング曲の「Take the A Train~A列車で行こう~」では甘い歌声を会場中にまん延させた。公爵と呼ばれた、あのデューク・エリントンの、軽妙洒脱(しゃだつ)な世界が中野サンプラザに誕生した。

 「責任感があるからセキがでる」。こう笑い飛ばしたが、風邪気味で体調は決して万全ではなかったのかもしれない。いつもの水分補給に加え、栄養ドリンク、風邪薬を飲みながらステージに立った。だが、マイクを握ればいつもの深見氏だった。「前に一人紅白をやって75曲歌ったことがある」というだけのことはあった。

 フランク・シナトラが歌った「Fly Me to the Moon」を乗りのテンポで歌い上げた。さらにはあのエディト・ピアフの持ち歌で、英語版ではルイ・アームストロングが大ヒットさせた「ばら色の人生」を艶のある中低音を響かせ、観客に披露した。

 「慕情」では、香港で病気になり、行った先の病院が映画「慕情」の舞台だったというエピソードで笑わせた。また、コンサートの最後ではテレビアニメの主題歌3曲をジャズやボサノバ風のアレンジでリズムに乗せた。

 さらに、アンコールのラストを飾った「テネシーワルツ」では、観客全員に配られた、紅白餅のような粘りのある歌い方とオーソドックスな歌い方を織り交ぜた。

 私が生まれて初めてジャズのコンサートに行ったのは高校生のときだった。同じ中野サンプラザで行われた、ジョン・コルトレーンと並ぶジャズ・サックスの巨人、ソニー・ロリンズのコンサートに心をときめかせた。その時、彼のサックスから発せられた最初の音を聞いたときの思いに勝るとも劣らない、感動をプレゼントしてくれた。

 もう手遅れだろうが、大好きな「ミスティ」に酔った私も、ジャズな人になりたいと切実に願った。(今野良彦)

 



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