引退も考えた…“不死鳥”神山雄一郎

 ケガを乗り越えたトップレーサー。競輪界で数々の偉業を成し遂げてきた神山雄一郎(46)=栃木・61期・SS=は、人気も実力も健在だ。2014年は2月に右の腓骨(ひこつ)を骨折する重傷。それを乗り越えて、年末のKEIRINグランプリに5年ぶりの出場を果たした。次走は日本選手権(17~22日・京王閣)に出場する。

 今年4月で47歳を迎える神山だが、髪はフサフサ、肉体はアスリートとして鍛え抜かれている。「老眼とかもないね。でも、白髪は増えたかな。同世代の一般人と比べて若く見えるって?うん、言われる」。老け込まない見た目だけに、ベテランという言葉は似合わない。昨年末は一発勝負で賞金1億円を争うKEIRINグランプリ(GP)に5年ぶりの出場。最上位9人しかランクされないS級S班に返り咲いた。

 14年は激動の1年だった。2月のG1全日本選抜(高松)の決勝戦で落車。倒れた直後、後続選手の自転車が右足の上を通過。強烈な負荷が掛かり、腓骨を骨折した。年齢を重ねた選手なら、引退の文字がよぎる大ケガ。神山も「この先どうするのか。また死にものぐるいでやるのか。自分の中で選択を考えた」と約1カ月かけて自分と向き合った。そのうえで「でも、結局やるしかないんだよね。それしかない」と答えを出した。人生をかけてきた競輪。「勝ったときのうれしさを知っているし、自分自身の可能性もまだ信じていたから」。その結論は、神山自身も最初から心の奥では分かっていた。

 09年を最後にGPに出場できていない状況だった。しかし「もしかしたら自分は年齢のせいにしてきたんじゃないか。この年齢で練習をこれだけやれば“やり過ぎ”とか、レースでも“この年齢なんだから、そこまで攻めなくても”と意識していないつもりでも思っていたのでは」とケガで考える時間ができたことで情熱は再燃。復帰して獲得賞金によるグランプリ出場を果たし、大活躍をみせた。

 通算獲得賞金は前人未到の26億円超え。G1は史上1位の優勝16回に加えてグランドスラムも達成。1着数は現役最多の821。数々の偉業を成してきたが、その強さは“競輪が好き”という少年のような動機が支える。神山にとって今年47歳とは、単なる通過点でしかない。

 ◇神山雄一郎(かみやま・ゆういちろう)1968年4月7日生まれ。栃木県出身。身長180センチ、体重87キロ。血液型B。作新学院高校卒業。日本競輪学校61期をトップで卒業、88年5月に花月園でデビューしていきなり完全優勝。89年4月にS級に昇格し、3場所目の別府でG3初優勝。G1初優勝は93年9月のオールスター(宇都宮)。G1の通算優勝回数は16。99年3月の日本選手権(静岡)初優勝で、3人目のグランドスラムを達成(6タイトル制覇は神山だけ)。昨年は最高齢グランプリ出場、S級S班在籍、G3優勝記録を達成し特別賞を受賞。また96年アトランタ、00年シドニー五輪に出場している。通算獲得賞金26億7410万8509円(11日現在)。

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