【ボート】トップレーサーの総合力に脱帽 G1戦は6人の戦略がぶつかりあう高難度レース

 「ボート記者コラム・仕事 賭け事 独り言」

 ボートレースにおける強豪選手とそうでない選手の違いはターンの技術-。1周600メートルを3周する競技であることを考えれば納得ができる。調整力もあるが、直線ではエンジンパワー次第、テクニックで相手と差をつけられるのは1Mと2Mの走りとなる。

 先日、浜名湖ボートでG1・浜名湖賞が行われた。期待の若手である石原翼(26)=静岡・120期・A1=が地元周年でG1初出場。2日目に水神祭をあげるなど躍動したが予選突破はならず、上位ランカーとの違いを見せつけられたという。

 石原は「ゴールデンレーサーやSGクラスはやっぱりターンがすごいですね。しっかり練習してもっとターンを磨きたいなと思いました」と振り返る。4日目9Rのことだ。2コースから差しハンドルを放った。決してターンの精度は悪くなく、本人が「2等だ」と思った瞬間、内側から5コースの柳沢一(42)=愛知・86期・A1=が突如として現れ、1周2Mで抜き去られた。

 記念クラスは道中の位置取りも一般戦とは全く異なり「ワンミスしたら終わり」だという。ほんのわずかな隙を見逃してくれないのがグレードレーサー。「展開を予想しながら走らないといけない」と新たな課題を発見できた。

 同支部の先輩でSG3度の優勝経験がある深谷知博(35)=静岡・103期・A1=は「僕も来たばっかりの頃は勝てなかった。そんなに甘くないと思います」と記念戦線の厳しさを口にする。ターン技術は当然のこと、勝ち上がるためには「リスクを背負って限界のターンで前を狙うのか、着キープなのか」を明確に判断することが重要だという。

 「例えば一般戦ではどの位置にいても着を維持できてしまうことがある。それがG1ではできなくなってくる。じゃあどうすればいいかを考えると、走る位置は変わってくる」。

 中途半端な走りは許されない。それを瞬時に判断するには一定の経験が必要になってくるのだろう。レーサーが命がけで戦う水面上では、6人の戦略がぶつかり合っている。(関西ボートレース担当・山本航己)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

レース記者コラム最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(レース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス