【ボート】111期の「フィーバー世代」に注目だ

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 プロスポーツ界では、中日の松坂大輔を筆頭に、球界で数多くの好プレーや記録を残してきた「松坂世代」、フィギュアスケートの羽生結弦、大リーグで二刀流の活躍をみせた大谷翔平、バトミントンの世界王者、桃田賢斗ら1994年生まれのアスリートを擁する「羽生・大谷世代」がスポーツニュースをにぎわす存在だ。公営競技のボートレース界でも、さまざまな世代がレースをけん引して人気を集めている。

 代表すべき世代といえば、SGV6の井口佳典を筆頭に、湯川浩司、田村隆信、丸岡正典、森高一真とSG覇者5人を擁する、85期の「銀河系軍団」。次に続くのは、峰竜太、毒島誠、岡崎恭裕ら1984~88年生まれの世代が結成した「ニュージェネレーション」。水面を切り裂く鮮烈なターンは瞬く間にレース界を席巻し、SG、G1のタイトルを次々と獲得。茅原悠紀、桐生順平は艇界最高峰のレース、SGグランプリを制した。

 毎年、獲得賞金ランクの上位を占める彼らの活躍を脅かすべく、新世代も着実に育ちつつある。ネクストブレイクの最右翼は、やはり114期だろう。羽野直也は昨年10月の大村周年で、平成生まれとしては初のG1タイトルを獲得。女子では中村桃佳が3月のびわこG2・レディースオールスターを制するなど、男女を問わず若武者たちの活躍の域は大いに広がっている。

 今年の浜名湖ヤングダービーを制した関浩哉や、九州地区選(若松)でG1ウイナーに輝いた仲谷颯仁を擁する115期も気になる存在だが、記者としては、111期に注目してみたい。

 徳山で10月に開催されたルーキーシリーズ第18戦では、高倉和士(27)=福岡・A2=が12年11月のデビュー以来、待望の初Vを達成。通算15回目の優出で、初の1号艇で迎えた優勝戦を「リラックスしようと思ったけど、めっちゃ緊張しました」とプレッシャーをはねのけ栄冠を勝ち取った。

 浜名湖ヤングダービーでG1初出走。今期勝率も6・13(10月19日現在)に浮上し、自身初のA1昇格も視野に入った。それでも本人は「(デビューから)6年かかってゆっくりしか伸びてないし、選手としては平凡。それを自覚した上で、チャンスをしっかり狙う」と冷静に前を見据える。「自分ができることをやるしかない。現状に満足せず、自分の弱点をつぶしていきたい」とさらなる成長を誓った。

 表彰式を終え、同期の選手仲間から、水神祭の祝福で水面に投げ込まれた高倉。一緒に飛び込んだ中村晃朋(香川)も、これまで優勝こそないが、今年の優出は妹の中村桃佳を越える7回。次こそ自らの水神祭へ-。攻撃力を高め、虎視たんたんと歓喜の瞬間を狙っている。

 他にも、今年度のトップルーキーに選出された安河内将(佐賀)、堀本和也(徳島)や、女子の大豆生田蒼(埼玉)も、期待に応えて著しい成長を遂げている。「111」と数字の語呂が良く、大当たりの“フィーバー世代”となるか?。彼らの活躍は今後も目が離せない。(関西ボート担当・保田叔久)

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