【ボート】宮島PG1 5号艇の前田滉が壮絶バトルを制してG1初優出初優勝 2人の兄に祝福され笑顔
「ヤングダービー・プレミアムG1」(28日、宮島)
壮絶なバトルが繰り広げられた優勝戦。5号艇の前田滉(25)=愛知・123期・A1=が大激戦を制し、3周1Mで先頭に浮上。G1初優出で初優勝、通算11回目のVを飾った。2着には1号艇の新開航(福岡)、3着は6号艇の中村日向(香川)。先頭を争っていた中山翔太(三重)は3周1Mで転覆し、井上忠政(大阪)は妨害失格に終わった。
連日激戦が繰り広げられ、日々主役の座が入れ替わった今大会。優勝戦も各コーナーで全速力のバトルが展開され、先頭が次々と入れ替わるレースは、3周1Mで前田滉が勝利をもぎ取った。1周1Mは3カドの井上がまくり、前田滉はまくり差し。「Sはアジャストしたが(吉田)裕平さんより僕が出て行くのが分かり、(井上)忠政さんを見てどこに入るかだけ。2Mは冷静じゃなかった」と苦笑。1周2Mで井上が流れたあとは中山との先頭争い。「中山君も出ていたが、最後まで諦めなかったことが勝利につながった」と2周2Mで差して前を走る中山に追い付き、3周1Mをグイッと先行して先頭に躍り出た。
予選12位、準優勝戦は4号艇で2着となり、優勝戦の枠番は5号艇。「5号艇だったので緊張はゼロ。予選前半は苦しんで、まさかここまでエンジンが良くなってくれるとは思わなかった。自分の中では100点満点と言える。今まで記念では調整力のなさを痛感していたが、前節の住之江では自分のペラを信じて仕上げられ、G1戦で初めて予選を突破。これが自信になった」と振り返る。
G1初優出からの初優勝。「うれしかったけど実感はなさ過ぎ。ピットに戻り、(兄の)篤哉と(双子の兄の)翔が喜んでくれているのを見て泣きそうになった。力強い存在」と前田3兄弟の絆に感謝。「ここで終わってしまわず、SGでも結果を出せる選手になりたい」。この優勝で、来年3月の地元蒲郡で開催されるSG・ボートレースクラシック(2026年3月24~29日)の出場権を獲得した。
妻は同期の山崎小葉音(群馬)だ。小葉音の父はSG11冠の山崎智也氏、母はレディースチャンピオン3冠の横西奏恵さんというボートレース界の「名門一家」だ。3兄弟がA1レーサーという前田家と、名門・山崎家の“華麗なる一族”のドラマがここから幕を開ける。





