【競輪】S級S班の平原康多が電撃引退 度重なるケガ「あらゆることをやっても改善されなかった」
競輪界のトップレーサー平原康多(42)=埼玉・87期・SS=が23日、現役を引退することが明らかになった。同日、日本競輪選手会埼玉支部に選手手帳を返納した平原はデイリースポーツの取材に応じて「ヘルニアが出てしまい、大げさに言えば2年近くは右足だけでレースをしていた。左はほぼ踏めていなかった。あらゆることをやっても改善されなかった」と引退の理由を説明した。
引退レースとなった5月のG1・日本選手権(名古屋)は「最後のチャンス」と臨み準決まで駒を進めたが「1走目の特別選抜予選で左足のペダルに全く力が入っていなかった。ありとあらえることをやって挑んだのに、光を閉ざされるようだった。名古屋から帰ってきてから家族と一緒に両親のところへ行きました。そしたら両親にも『ちょっと前から辞めて欲しかったと話していた』と言われました。引退と両親に伝えてからホッとして完全にスイッチが切れて、周りの人に伝えていった感じでした」と振り返る。
この日は午前3時30分にトイレで起きたという平原。「時間を確認するのに携帯電話を見てSNSを見たらが反響がすごくて、そこから眠れなくなりました。SNSの反響を見て引退の実感が沸いてきた。武田(豊樹)さんのコメントを見た時はいろいろ思い出して涙が止まらなかった。武田さんとは特別な関係を築けた。期は一つ違いだったけど、同じ時代に競輪をやれたのが幸せでした。先に自分が辞めるとは思わなかったですけど。やむを得ないですけどね。神山(雄一郎)さんみたいに納得するところまで長くやりたかったですけどね。引退は自分が決断したことなので」。
今後は会見の予定なども含めて未定。「吉田拓矢、真杉匠の日本選手権決勝はいいものを見せてもらいました。埼玉だと武藤龍生、森田優弥には頑張ってもらいたい。宿口陽一のG1優勝は見ることができたので。龍生と森田には優勝するところを選手として見ることができなくて申し訳ないと伝えました。これからは外から応援していきたいですね。今後は無職です」と最後は笑顔で話した。



