【エリザベス女王杯】“13冠の血”開花 ジェラルディーナがG1初制覇 陣営努力で弱点克服

 G1初Vを決めたジェラルディーナと、雄たけびを上げるC・デムーロ(撮影・北村雅宏)
 大外から突き抜けるジェラルディーナ(中央)=撮影・石湯恒介
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 「エリザベス女王杯・G1」(13日、阪神)

 偉大な両親のDNAを受け継いだ超良血馬が、大舞台で最高の輝きを放った。4番人気のジェラルディーナが、大外を力強く伸びてG1初制覇。6冠馬の父モーリス、7冠馬の母ジェンティルドンナに待望のビッグタイトルを届けた。5番人気のウインマリリンと12番人気のライラックが2着同着。1番人気の3冠牝馬デアリングタクトは6着に敗れた。

 超良血馬の才能が完全に花開いた。朝からの雨で馬場は重。タフなバトルを制したのは、7冠馬ジェンティルドンナを母に持つ4番人気のジェラルディーナだ。前走のオールカマーで重賞初Vを飾ったばかりの4歳馬が、一気に牝馬の頂点に輝いた。

 試練の大外枠が吉と出た。スタート直後こそ後方で進めると、雨で各馬が苦しむ中、勝負どころを外からまくるように上昇。直線では自慢の末脚を伸ばすだけ。先に抜け出したウインマリリンをかわして先頭でゴールすると、C・デムーロは右の拳を突き上げた。

 「18番ゲートは難しいと思ったけど、勝てたわけですからね。結果的に一番いい枠でした。中団でいいリズムで運ぶことができたし、最後もしっかりと走ってくれた」。18年の阪神JF(ダノンファンタジー)以来、4年ぶり4度目のJRA・G1制覇を飾った鞍上は、初コンビのパートナーをたたえた。

 簡単な道のりではなかった。牝馬3冠馬の娘として未来を嘱望されて20年9月にデビューするも、クラシック路線に乗れず、21年2月のエルフィンS10着後に石坂正師の定年で斉藤崇厩舎へ。転厩初戦の同年6月の城崎特別では、頭を上げて外へ逸走。8着という惨敗に終わっていた。

 精神面の未熟さと体幹の弱さ。陣営が苦労を重ねて教え込むと、同年7月から3連勝でオープン入り。その後、7度目の重賞挑戦だった前走で勝利をたぐり寄せると、大一番では壁をつくることができない大外枠でも行きたがることなく戴冠。斉藤崇師は「最初があったから今につながっています。石坂先生からこれだけの血統の馬を引き継いで、いつか大きなところを勝ちたいと思っていました」と胸をなで下ろした。

 今後は未定だが、さらなる飛躍を見据える。「一戦ごとに体重も増えてたくましくなってきた。これからも楽しみ。馬の状態と相談してですが、(年内)もう1走行けたらいいな」。偉大なる母の軌跡をたどり、次のステージへと歩を進める。

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