【競輪】中本、ビッグレース初決勝初V 1位入線の山田失格「英さんの失格が残念」

 「共同通信社杯・G2」(21日、伊東)

 中本匠栄(33)=熊本・97期・S1=が1位に入線した山田英明の失格により繰り上がりで優勝。ビッグレース初決勝で初優勝を達成した。2着に松浦悠士、3着に園田匠が入り、3連単は19万6380円という大波乱の結末となった。なお、9Rに行われた「ガールズケイリンコレクション2020伊東温泉ステージ」は、高木真備(26)=東京・106期・L1=が制した。

 伊東で大けがをしてから丸3年となる21日に、中本がビッグレース初制覇で苦手意識を一気に吹き飛ばした。

 自身初めてのビッグ決勝は山崎-山田の後位を固めて3番手。1位で入線した山田が失格となったため「一番は(山田)英さんの失格が残念。優勝の実感はないけど、これから少しずつ感じていければ」と控えめに喜びを語った。

 山田は残念な結果だが、五輪代表の新田と脇本、賞金ランクトップを走る松浦を封じた。「英さんと話したけど、九州としては(レース内容は)いい形に持っていけた」と4車で並んだ九州作戦は成功。強敵だらけの単騎勢をラインの力で撃破した。

 中本は3年前の17年9月21日に当地で落車して頸椎(けいつい)の大けがを負った。「ここに来るまでは、ケガのイメージが強くて、苦手意識があった」と嫌な思い出はぬぐい去れなかったが、負傷して以来となる伊東バンクで大仕事をやってのけた。

 ビッグタイトルを手にしても「今回は先輩と後輩に助けられた。基本的な戦法は変わらない。勝つことを意識して走りたい。先輩に任せられたら役割を果たしたい」と自力選手としてもまだまだ奮闘を誓う。次走は地元の熊本記念(久留米代替開催)。大きな勲章を得てニューヒーローとなった中本の走りから目が離せない。

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