【有馬記念】リスグラシュー究極仕上げ 牝馬にして史上初の両グランプリレース制覇へ

 「有馬記念・G1」(22日、中山)

 現役最後の大一番へ、容赦はしなかった。ラストランを迎えるリスグラシューは18日、栗東坂路でこん身の併せ馬。素晴らしい動きで、文句なしの出撃態勢を整えた。牝馬にして史上初の両グランプリレース制覇へ、その先には年度代表馬の座も視野に入る。「いつも一生懸命走ってくれる」-座右の銘は“信は力なり”-師にとって初の有馬記念。信頼を寄せる愛馬を、まさに究極の仕上げで最終バトルの舞台へ送り出す。

 これが最後。全力で栗東の坂路を駆け上がることはもうない。だからこそ、思いを残すことだけはしたくなかった。大切にしたのは攻めの姿勢。ラストランを迎えるリスグラシューは、より負荷のかかる併走追いを選択し、戦う準備を整えた。

 ユニコーンライオン(3歳3勝クラス)を前に見ながら登坂。滑らかな気負いのないフォームで好ラップを刻み込んだ。4F51秒3-37秒0-12秒3。ラスト2Fを24秒1でまとめる鋭さで併入した。

 矢作師は「普段の調整であれば、先週しっかり負荷をかけているので、競馬の週は単走で、ということになります。ですが、けさの体重と体のシルエットを見て、もう少し負荷をかけても、と判断して併せ馬にしました」と追い切り内容を説明した。まさに悔いのない仕上げ。「感慨深いものがありますし、いい状態で出せるといううことでホッとしています」。こう胸の内を明かした。

 宝塚記念を快勝し、コックスプレート(豪州)で海外G1初制覇も決めた。これまで交わることのなかったアーモンドアイとの直接対決は、自身の集大成だ。「ホースマンとして、競馬の大好きな人間として、(アーモンドアイが)出てきてくれたことは、ありがたいです。1度は戦ってみたかった相手ですからね。挑戦したい気持ちです」。開業15年目にして、初めて有馬記念に管理馬を送り出すトレーナーは、引き締まった表情で話した。

 宝塚記念と有馬記念の両グランプリレースを制したのは、過去13頭(うち同一年9頭)。いずれも牡馬だ。「いつも一生懸命に走ってくれるので、必ずいい勝負をしてくれるはずです」。これまで築き上げた信頼感に揺るぎはない。牝馬初となるコンプリートへ。ファン投票2位となる9万4357票の重みと思いを背負い、文句なしの態勢で最終決戦に臨む。

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