【POG】2歳馬総括 サリオス無敗でG1戴冠 ラブミーチャン半弟は2連勝

 先週末は15日に阪神でG1「朝日杯FS」(芝1600m)が行われ、ハーツクライ産駒で圧倒的1番人気のサリオス(美浦・堀)がデビューから無傷の3連勝でG1初制覇した。14日に行われた2歳1勝クラスの「ひいらぎ賞」(中山、芝1600m)はスマイルカナ(美浦・高橋祥)が、「さざんか賞」(阪神、芝1200m)はヴァラークラウン(栗東・鮫島)、15日の「寒椿賞」(中京、ダート1400m)では地方交流重賞で活躍したラブミーチャンの半弟、コパシーナ(美浦・伊藤圭)が勝った。

 「第71回朝日杯FS・G1」は15日、阪神11Rに16頭で争われ、単勝2・0倍の圧倒的1番人気サリオスが無傷の3連勝で2歳王者に輝いた。ゲートを出るとスッと好位の3番手へ。逃げるビアンフェがつくり出す前半3F33秒8の激流を楽々と追走。スムーズに流れに乗って直線半ばで抜け出すと、後続に2馬身半差をつけ、1分33秒0のレースレコードで制した。2着は2番人気のタイセイビジョン、さらに1馬身1/4差の3着には14番人気の伏兵グランレイが入った。

 見事勝利に導いたムーアは「スタートがすごく良くて、自分から好位につけて無理せず運べた。直線に向いてからはしっかり応えて、よく伸びてくれた。すごく強い勝ち方で、他馬を引き離したイメージだった」と絶賛。調教に乗ったイメージから「賢くて、体もできあがっている馬。勝てなかったら残念」と必勝の思いで臨んだ。

 堀師は「先頭に立つと後ろの馬を待つというか、騎手の指示を待つというか。もうちょっと自分から行ってくれたら、と思うけど」と厳しい言葉を口にしたが、期待の大きさの裏返し。「2歳のこの時期に、これだけの競馬ができる馬はそうそういない。出会いに感謝しています」と能力の高さを改めて感じていた。

 デビューから無傷3連勝でつかんだG1。今後について指揮官は「馬の状態を見極めてオーナーサイドと相談して決めます」と熟考の構え。「僕がファンだったら追い掛け続ける。将来は明るい」と鞍上が絶賛する素質馬は、来年の3歳戦線も主役を張り続けることは間違いない。(採点・★★★★★)

 また、14日に行われた中山9Rの2歳1勝クラス「ひいらぎ賞」は、内枠を生かして先手を奪ったディープインパクト産駒の6番人気スマイルカナが、1番人気サクラトゥジュールの追撃を首差しのいで逃げ切り勝ち。休み明けの前走・赤松賞は控えて7着に敗れていたが、デビュー戦と同様にハナに立つ競馬で巻き返しに成功した。勝ちタイムは1分34秒8。柴田大は「スタートが良かったし、無理して引く必要はないと思ったのでハナへ行きました。最後の反応も良かったですね。すごくいい馬で、これからが楽しみです」と笑顔で振り返っていた。(採点・★★★☆☆)

 阪神では9Rで「さざんか賞」が行われ、先手を奪った2番人気ヴァラークラウンが、1分9秒2のタイムで逃げ切って2連勝を飾った。JRA通算1600勝を達成し、息子の望来らに祝福された岩田康は「レース自体は冷静に走っていた。道中で遊ぶところや返し馬でスイッチが入るところがあるので、落ち着けばもっと上を目指せると思う」と今後の成長を期待した。(採点・★★★☆☆)

 15日の中京10R「寒椿賞」は、吉田隼騎乗の6番人気コパシーナがゴール前の大接戦を制して2連勝。2番手から直線で先頭をうかがうなか、逃げた4番人気オヌシナニモノ(2着)も内でしぶとく抵抗。競り合いはゴールまで続き、最後は首の上げ下げの末、鼻差先着を果たした。勝ちタイムは1分25秒0。地方交流重賞で活躍したラブミーチャンの半弟。吉田隼は「ハナに行く予定だったが、相手が速かったので2番手から。この位置からでも息が入っていたし、最後は何とかかわしてくれた。ここで勝てたのは大きい」と満足げ。伊藤圭師は「使うごとに良くなっている。適当なレースもないし、様子を見て今後を決めたい」と語った。(採点・★★★☆☆)

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