【平成G1波乱プレーバック】平成23年オークス エリンコート

 「平成23年オークス エリンコート」

 数多くの名勝負が生まれた平成のG1。その中でも過去に波乱に終わったレースを振り返る。

 レース直前に降り出した雨は、激しさを増すばかり。桜花賞馬マルセリーナ、同2着馬ホエールキャプチャが人気を二分。連勝で忘れな草賞を制したエリンコートは、7番人気と決して評価は高くなかった。ただ、笹田師には、名門・伊藤雄二厩舎の助手時代に培った「出走させるからには結果を出す」という信念があった。管理馬に万全の仕上げを施し、大一番での激走を呼び込んだ。

 ハナを切ったのはピュアブリーゼ。エリンコートは中団で流れに乗った。抜群の手応えのまま直線へ。ラストまで力強く末脚を伸ばすと、懸命に粘る逃げ馬を首差かわし、“2強”の猛追も封じ込めた。厩舎のG1初Vとなり、今は亡き後藤浩輝騎手にとってはクラシック初勝利でもあった。ただ、直線で内に斜行し「降着を覚悟していたから、レース直後に喜びはなかった」と師は述懐する。

 血統のイメージを変えた勝利でもあった。同馬の父は03、04年の最優秀短距離馬デュランダルで、母もマイルの伊1000ギニー勝ち馬エリンバード。デビュー戦が、夏の函館芝6F戦なのも自然な流れだった。

 ただ、2戦続けて3着に敗れると、すぐに距離延長を選択。「血統や先入観にとらわれず、馬を見て決めるというのがボクの考え方」と説く。その柔軟な姿勢が、新馬戦から倍の距離でのG1タイトル奪取へとつながった。

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