【高松宮記念】ミスターメロディV スプリント界に新星誕生 3連単449万円超え

 高松宮記念を制したミスターメロディ(手前)。左から2頭目は2着のセイウンコウセイ
2枚

 「高松宮記念・G1」(24日、中京)

 短距離界に新星誕生だ。3番人気のミスターメロディが好位から抜け出し、新スプリント王に輝いた。2着に一昨年の覇者で12番人気のセイウンコウセイが、3着には17番人気のショウナンアンセムが入り、3連単は449万7470円の大波乱。なお、1番人気のダノンスマッシュは4着、藤田菜七子騎乗のスノードラゴンは17着に終わった。

 ハイレベル4歳世代が、群雄割拠の短距離界でも頂点に立った。スタートを決め、好位のインで息を潜めていた3番人気のミスターメロディ。初めての芝スプリント戦も何のその、まるで何かに導かれるようにあいたスペースを突くと、最後は矢のごとく伸びた。「やりたい競馬ができましたね。スペースがいいタイミングであいてくれて、うまく抜け出すことができた」。福永は笑顔で戴冠劇を振り返った。

 19日、19年前の覇者キングヘイローがこの世を去った。「馬を止める時、頭にキングヘイローのことがよぎりました。あの馬が他界した週に勝てたというのは、何かそういう後押しがあったかも」。ユーイチにとってはかけがえのない存在だ。デビュー3年目だった98年のダービー。2番人気に推されていたが、経験したことのない重圧でレース当日に高熱を出してしまったという。頭が真っ白になり、逃げて14着大敗。その後も5度、同馬でG1に乗る機会を与えられたが勝つことができなかった。

 「高松宮記念を勝った時は2着馬(ディヴァインライト)に乗っていた。自分が未熟で、G1を勝たせられなかったという悔しい思いは今でも鮮明。大きな糧を与えてくれた」。大恩のある馬へ、手向けの勝利となったに違いない。

 もう一つ、鞍上には喜びの理由があった。「藤原厩舎でG1を勝てたのはうれしい」。厩舎にとって区切りとなるG1・10勝目をプレゼント。いつもは厳しい藤原英師も「イメージ通りの競馬だった。100点!」と手綱さばきを大絶賛だ。

 新星誕生をアピールしたミスターメロディは、チェアマンズスプリントプライズ(香港G1・4月28日・シャティン)に登録はあるものの、次走は未定。「千四、千六も走るし、ダートも走る。世界も視野に入れて、どこか挑戦したい」と師が夢を語れば、福永は「ファインニードルが引退したし、短距離界を引っ張っていってほしい」と一層の活躍を願った。限りなく明るい未来へ、これから幾度となく凱歌を上げてみせる。

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