【有馬記念】キセキ合格…驚異の回復力見せた 川田「自信持って競馬組み立てる」

 「有馬記念・G1」(23日、中山)

 ある意味では最も最終追い切りの内容、動きが注目された馬かもしれない。この秋4戦目、前走のジャパンCでは世界的なレコードを演出して2着に踏ん張ったキセキ。その反動が心配されるが、絶妙なさじ加減で追われ、合格点と言える動きを披露した。惜敗続きのうっぷんを晴らすべく、陣営も自信を持って送り出す。

 やり過ぎず、やらなさ過ぎず。絶妙なさじ加減で仕上げられた。ジャパンC2着馬キセキは19日、栗東CWで単走追い。走りたい気持ちを抑えながら、大きなフットワークで駆け抜け、馬なりのまま5F69秒0-39秒1-12秒0をマークした。ゴール板を過ぎてからも気を抜かせないように手綱は緩めない。乗り手の意図が伝わる追い切りだった。

 またがった清山助手が満足げに振り返る。「“必要以上にやらなくていい”というのがテーマ。馬場が悪いなか、ジャパンCの前よりも地面の捉え方が良かった。ゴール後も合図を送ったけど、いい感触でしたよ」。手綱越しから伝わるサインに手応えをつかんだ仕上げ人は「前走があれだけの速い時計で走ったのに、回復が早かった。獣医師さんが“天皇賞・秋のあとよりもいい”って驚くぐらい」と回復力と状態の良さに目を細めた。

 天皇賞・秋が3着、ジャパンCで2着と、この秋は逃げの形で存在感を示してきた。「自分の能力を出せる競馬を組み立てて、素晴らしい走りをしてくれている」と川田は納得の表情。デビュー3戦目(17年2月すみれS3着)にまたがった当時と比較し、「ポテンシャルに見合う体になった。能力が出せるように整った」と成長ぶりを強調する。今年3月、香港帰りの日経賞で9着と大敗した舞台だが、心配無用。「枠が大きく左右するコース。ただ、中山の2500メートルがマイナスに働くことはない。自信を持って競馬を組み立てたい」と胸を張った。

 14カ月ぶりのVへ-。菊花賞馬の誇りを胸に、惜敗続きの悔しさをまとめて晴らす。

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