気にくわないとかみつく オジュウチョウサンのルーツ~坂東牧場~前編

 オジュウチョウサンの母シャドウシルエットと成田博行繁殖厩舎長=北海道日高町坂東牧場
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 「有馬記念・G1」(23日、中山)

 異色の挑戦者か、それとも究極の二刀流ホースか!?前代未聞のチャレンジに挑む障害G1・5勝を誇るハードル界の絶対王者。注目を集めるオジュウチョウサンのルーツを探る連載を前後編でお届けする。今回は前編。

  ◇  ◇

 初子のケイアイチョウサンから6世代空胎なし。オジュウチョウサンの母シャドウシルエットは繁殖牝馬として最も重要な資質を持ち合わせている。すなわち“安産タイプ”だ。

 お産の集中する春に、安心して寝られなくなるのは生産者の常だが、いざ分娩(ぶんべん)となれば、6頭全てさして手を患わせずに子が取り上げられたという。

 子馬にとってはこの世に舞い降りて最初の、そして、繁殖牝馬にとっても一年で最も命の危険にさらされる、試練の時だ。もちろん坂東牧場の繁殖技術の高さがあってこそではあるが、母馬の資質として、ここにリスクが小さいのは非常に助かる。

 オジュウチョウサンは11年4月3日、この母馬の2番子として生まれた。成田博行繁殖厩舎長(41)は「兄のケイアイチョウサンよりひと回り大きい子でしたね。首が長くて胴も脚もスラリとしていた」と当時を振り返る。

 「母もかみついてくるような気の強い馬。(オジュウも)馴致(じゅんち)の段階から、触られるのが気にくわないとかみついてくる、自分を持った馬でした。当歳時から病気もせず、手が掛からなかったですね。だから、兄より走るかもと期待していました」

 そんな予感めいたものがあったという。(後編に続く)

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