【マイルCS】アエロリット静かなる快走 鞍上ムーアで10年ぶり牝馬Vへ

 「マイルCS・G1」(18日、京都)

 08年のブルーメンブラット以来10年ぶりの牝馬Vへ向け14日、アエロリットが絶好の動きを披露した。

 最終追い切りのテーマは「静」。走ることに対して気持ちが燃え過ぎることを考慮し、馬が少ない時間帯を狙って美浦坂路へ。貸し切り状態の馬場の真ん中を悠々と登坂。見た目に速いと感じさせずとも、時計は馬なりのままで4F50秒9-37秒4-12秒8。14日の坂路で3番目に速い時計を楽々とマークして好調を印象づけた。

 手綱を取った菊沢師は「一切刺激を与えず、気分良く走らせることができた」と狙い通りの追い切り消化に納得顔。前走後は、いつものように福島県のノーザンファーム天栄への短期放牧を挟み「リフレッシュがうまくいって、現状ではいい状態だと思う」と体調面にも合格点をつけた。

 昨年の秋華賞7着以来となる京都競馬場。その敗因を師は「逃げた馬のペースで、道中力んでしまったのが響いた」と分析する。「あの頃は若くて繊細な部分を見せていたが、今は輸送後の雰囲気やカイバ食いが違う」と1年を経た愛馬の成長に自信を見せた。

 勝利をつかむための理想の形は「気分良く駆け抜けること」とトレーナー。前走のような形が能力を出し切るのに最適だが、ハナを切らずとも自分のリズムで走れれば中山記念、安田記念のような競馬もできる。エスコート役は、日本のG1を7勝している世界の名手R・ムーア。最強助っ人の手綱に導かれ、淀のマイルを駆け抜ける。

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