【ボート】井口が6回目となるSG制覇 逆境を力に変えた!

 「ボートレースクラシック・SG」(21日、浜名湖)

 2号艇の井口佳典(40)=三重・85期・A1=が2コースまくりを決めて1着。2012年7月オーシャンカップ(尼崎)以来となる通算6回目のSG制覇を果たした。通算では66回目の優勝。2着には瓜生正義、3着には峰竜太が入り、波乱の決着となった。

 久しぶりに井口が勲章を勝ち取った。5年8カ月ぶりとなるSGVゴールを駆け抜けるとたまっていた喜びをガッツポーズで表現。「久々に優勝させてもらってありがたく思います」と、殊勝に勝利の味をかみしめた。

 レースは、2コースから強力パワーの岡崎を受け止めて先まくりで、インの白井を沈めた。「意外と冷静で、自然と体が動いたという感じですね」。自身の持ち味である攻撃力を最後に発揮した。

 “スーパーエース47号機”に話題が集中したシリーズだったが、井口も序盤から機力には手応えをつかんでいた。「前検から手応えはあったし、いいエンジンに乗らせてもらった。優勝できた要因はエンジンでしょうね」と、ともに戦ってきた相棒に感謝することも忘れなかった。

 逆境を力に変えた1勝だ。前々節のG1・戸田周年の準優でF。罰則により、休み明け以降はG1、G2を走れなくなった。年末を見据えたうえでは大きな痛手となったが、強い気持ちが久々のタイトルまで届かせた。「5月までが勝負だと思って乗り込んできて、最高の結果を残せた。うまくいきすぎです」と充実のシリーズを振り返った。

 優勝賞金3500万円を獲得し、早くも年末のSG・グランプリ(住之江・12月19~24日)へ大きく前進した形となった。それでも気を緩めるつもりは毛頭ない。「オールスターまでが僕の勝負だと思っている。ベスト6へはもう1個(SGを)獲らないと無理。去年乗ってみて、ベスト6の意味を感じられたので」。視線はグランプリ出場ではなく、そのまだ先、“頂点”だけを見据えている。

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