3歳牝馬エネイブルに不安なし!サトノダイヤモンドは2番手グループの一角

 「魁!海外馬券塾」(25日)

 欧州の各ブックメーカーが現時点で英国馬エネイブルに付けている単勝オッズは1・7倍前後。この数字が、何より明確に評価を表している。近年、これほどの圧倒的人気で凱旋門賞に出走した3歳馬はいない。前評判が高く、実際にレースも圧勝だった08年ザルカヴァや09年シーザスターズでさえ、ここまでの一本かぶりではなかった。

 英・愛オークスに“キングジョージ”、ヨークシャーオークスのG1・4連勝はいずれも異なる競馬場だが、楽に先手あるいは好位置を取り、デットーリがスパートの指示を出すと瞬時に他馬を離し、差を広げてゴールという競馬を続けている。シャンティイ競馬場はおろか、フランスで出走するのも初めてだが、不安材料になるとは考えにくい。

 2番手以下は横一線だ。英国馬ユリシーズは今年5戦して全て3着以内と堅実で、前走の英インターナショナルS・G1は強い内容でV。ただ2走前の“キングジョージ”ではエネイブルに4馬身差をつけられている。

 昨年は1~3着を独占し、今年も多頭数出しをかけるアイルランドのオブライエン厩舎。昨年3着馬オーダーオブセントジョージは1年前に2着に敗れた愛セントレジャー・G1で、今年は後続に1秒5差つける圧勝しており、5歳にしてさらに力をつけている印象だ。昨年2着馬ハイランドリールは今年もG1を2勝と長きにわたる活躍を続けており、良馬場なら力量上位の一頭と言える。

 安定感なら愛ダービーと英セントレジャーをG1を連勝中のカプリ。出否未定だが、出てくれば無視できないウィンターは春から夏にかけてG1を4連勝。マイルがベストとされているがタフなグッドウッド競馬場の芝2000メートルで行われたナッソーS・G1を勝っており、距離克服の可能性はある。

 その他、馬場が渋れば前走、重馬場のフォワ賞(G2)でサトノダイヤモンド(4着)を退けたチンギスシークレットに一発の期待がかかる。3歳牡馬では仏ダービー馬ブラムトが最有力だが、前走の敗因となった出遅れ癖が不安か。

 サトノダイヤモンドはこれら2番手グループの一角の評価。序盤でエネイブルと近い位置にいては密集する馬群でもまれ、末脚の鋭さでも相手に分がある。勝ちに行く競馬をするなら前か後ろか、極端な戦術が必要になるのではないだろうか。(海外遠征コーディネーター・田中敬太)

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