【競輪】渡辺雄太急襲V 叔父・晴智ばり鋭脚でビッグ初制覇

 「ヤンググランプリ2016・G2」(29日、立川)

 渡辺雄太(22)=静岡・105期・S1=が最終4角6番手から内を抜け出して、ビッグレース初制覇。優勝賞金505万円(副賞含む)を獲得した。2着には3番手の小笹隼人、3着には番手まくりを放った鈴木竜士が入った。人気を集めた吉田拓矢は4着、新山響平は落車棄権となり、3連単は40万円超の高配当となった。

 師匠で叔父のG1タイトルホルダー・渡辺晴智からは「獲りに行け」と励まされた。その言葉を胸にバンクに立った渡辺。全員が単騎戦を選択した激しい攻防の中でも冷静に対応。晴智ばりの差し脚を、がっぽり空いたVロードめがけて繰り出した。

 「中団を取りたかったけどミスった。それで吉田君の後ろから行ったけど、コースがたまたま空いたし、めっちゃ伸びた」と前団が外にふくれた瞬間を見逃さなかった。真っ先にゴールを突き抜けると歓喜のガッツポーズを何回も見せ、新田康仁ら南関の仲間の胴上げで宙を3回舞った。

 11月にローンを組んで1000万円のベンツを購入したばかり。優勝賞金505万円のほとんどは「借金を返す」ことに当てる。それでも、この賞金の上積みで、今年の日本選手権(静岡)に続いて、来年5月の日本選手権(京王閣)出場のための獲得賞金額のボーダーライン1700万円を楽々とクリアした。

 今回は追い込みで若手の中の頂点に立ったが、今後はいつも通りにタテ脚を繰り出すことに集中。「F1の優勝は1回しかないし、記念の決勝も乗ってないから、一歩ずつ」と謙虚に話したが、2017年は熱き声援を受けながらダイナミックな組み立てで駆け抜けていく。

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