阪神・森下 八回落球でピンチ招きベンチで怒り→直後に執念V犠飛 5カード連続勝ち越し、9連戦単独首位締め

 「阪神5-4DeNA」(22日、甲子園球場)

 意地の一振りだった。同点の八回1死三塁で、阪神の森下翔太外野手(25)が右翼への犠飛を放ち、5カード連続勝ち越しとなる勝利を導いた。序盤はDeNA・藤浪の前に沈黙し、八回には守備のミスもあった中、最後に仕事を果たしたところが頼もしい。9連戦を6勝3敗とし、24日からは甲子園で、1ゲーム差に広げた2位・巨人と前半戦最後の3連戦に挑む。

 うだるような暑さの中、終盤までもつれた9連戦ラストゲーム。重苦しくなりがちな空気を、虎党の熱気が凌駕(りょうが)した。森下があふれ出る感情をバットに込める。必死に前を向くための、意地の決勝打点。5カード連続の勝ち越しを導いた。

 4-4の八回1死三塁と勝ち越しの絶好機。1ストライクから、マルセリーノの内角高め154キロを右翼まで運んだ。三走・近本がタッチアップし生還。19日・広島戦(マツダ)以来3試合ぶりの一打とはならずとも、最低限にして最高の仕事となるV犠飛を放った。

 ただ、勝利の立役者は試合後のお立ち台へは上がらず。「勝って良かったです」と淡々とロッカールームへと歩みを進めた。

 自らへの怒りもあっただろうか。直前の八回の右翼守備だった。2死から松尾が放った飛球を二塁・中野とお見合いし、グラブに当てながらも落球。捕球すれば3アウトの場面が一転、2死二塁のピンチに。岩崎が次打者を抑えことなきを得たが、ベンチへ戻った森下はグラブを投げつけ悔しさをあらわにした。

 試合序盤からリズムにも乗れなかった。相手先発は古巣相手に初登板となった藤浪だ。森下にとっては初対戦となる先輩右腕は制球面が安定せず。初回の第1打席では1ボールからの2球目148キロが内角へ抜け、大きく体をのけぞらせる場面も。場内がどよめき独特の空気感が漂った。続く3球目は打席を外すようにして見送り、外角低めへのボール球に。4球目も内角へ外れ、ストレートの四球を選んだ。

 さらに三回の2打席目にも初球150キロが内角高めへの抜け球に。続く2球目の内角は左足を引くようにして見送りストライク。3球目のカットボールにスイングしたが、遊飛に倒れた。四回の第3打席はホームベースから少し離れて立ち、3球連続で見逃して三振。今季両リーグ最多12死球を受けながらも、踏み込むことを恐れずに本塁打を量産してきた背番号1だが、この日ばかりは本来の姿が影を潜めた。

 今カードは、甲子園の浜風に長打コースの打球を阻まれるなど3試合で無安打に終わった。それでも「勝てば次につながるので、頑張ります」と森下。24日からは前半戦ラストカードとなる巨人戦だ。首位攻防となる「伝統の一戦」で鬱憤(うっぷん)を晴らし、後半戦へ弾みをつける。

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