【競輪】ともに現役 山原“父娘鷹”直撃

 ガールズケイリンNo.1を決定する「ガールズグランプリ2015」(12月28日・京王閣11R)に、3年連続3回目の出場を決めた山原さくら(22)=高知・104期。その活躍を陰で支えているのが父であり、師匠でもある山原利秀(46)=高知・63期・A1。ともに現役で同じ競技のプロ選手というスポーツ界では珍しい“父娘鷹”を直撃した。

 親子のコミュニケーション不足が叫ばれる現代社会。特に父親と20代の娘となれば会話すらままならないことも多いが、山原父娘の間には笑いが絶えない。スポーツ界にありがちな厳しい師弟関係もない。今回の取材中も、話が脱線する父に対して「もう少し考えてからしゃべって!!いつも言ってるでしょ」とダメ出しを連発。対して父は「(娘とは)ボケとツッコミの関係ですね。友達みたいなもんです」と朗らかな笑顔で話す。どちらが師匠なのか全く分からないほど常に自然体だ。

 伸び伸びと力が発揮できる環境に加えて、娘の性格を知り尽くした父からの的確な指導を受けたことも活躍の大きな要因。さくらが高校2年で選手の道を志したときから、高い素質を感じていた父は、師匠として長所を伸ばすことを第一に考えたという。「教えなきゃいけないことはたくさんあったけど、いろいろ手を掛けると、いずれ燃え尽き症候群になっちゃうと思った。周りからは『厳しく鍛えればもっと強くなるのに…。宝の持ち腐れ』なんて言われたこともあったけど、そこは変えたくなかった」と振り返る。

 22歳といえば父親には何かと反発したくなる年齢。それだけに、父は「自転車に関して怒ったことはない。練習方法も好きにさせているし、プロなので自分で切り開いてほしいと思っている」と娘の意見を尊重する一方で、ほかの選手のレースを参考に、さりげなくアドバイスもした。

 父親ならではの育成法で才能を一気に開花させた、さくらは「実の家族なので甘えが出ちゃう。自分のレースのことで怒られると逆ギレして素直に聞けなかったと思う」と話しながら、「自転車をしてなかったら、こんなに、父としゃべることはなかったと思う。やってみて父のすごさが分かった」と改めて父の偉大さを知った。

 過去2度のガールズグランプリは4、7着と結果を残せていない。年末に迎える大一番。大好きな父に最高の恩返しをするために目指すのは“三度目の正直”。冬の京王閣で季節外れのさくら満開Vを果たしてみせる。

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