【マーメイドS】中谷、重賞初Vに挑む
「マーメイドS・G3」(14日、阪神)
千載一遇の好機が訪れた。5月15日付で美浦から栗東に所属変更したデビュー18年目の中谷が、矢作厩舎のアースライズで自身初の重賞Vに挑む。オークス4着馬への騎乗依頼に「ジョッキー冥利(みょうり)に尽きる。助けてもらった人に恩返しをしたい」と目を輝かせる。
13年に勝ち星が4勝まで落ち込んだ。現状を打破すべく1年半前に拠点を栗東に移し、矢作厩舎の調教を中心に汗を流してきた。「矢作先生がくれたチャンスをものにしたいけど、その思いが強過ぎても駄目。先生からは“気持ちは分かるが、落ち着いて乗れ”と。変な気負いは全くない」とあくまで自然体だ。
ハンデは49キロ。鞍などの重さも考慮すると、3キロ以上の減量が必要になる。過去には騎手を辞めたいと思ったことがあったという。その苦しみを乗り越えた今なら、過酷な減量にも耐えられるはずだ。信条は“常に一生懸命”。懸命の騎乗で念願のタイトルをつかみ取る。