【ダービー】デムーロ夢のダービー制覇

 「日本ダービー・G1」(5月31日、東京)

 1番人気馬の春G1連敗を「7」でストップさせたのは、ファンから愛されるイタリアの名手だった。皐月賞馬ドゥラメンテを完璧に操り、ミルコ・デムーロ騎手(36)=栗東・フリー=は03年ネオユニヴァース以来のレース2勝目。JRAへの移籍初年度から大きな夢をつかんだ。

 約13万人のファンが駆けつけた東京競馬場で、ひとつの夢が早くもかなった。圧巻のパフォーマンスを演じたドゥラメンテの背中から降りると、M・デムーロは顔を紅潮させ、目を潤ませる。「チョー、ウレシイ!」。JRAの通年免許を取得し、3月に“デビュー”してわずか3カ月。イタリアの名手は、日本ダービーのゴールを先頭で駆け抜けた。

 競馬の祭典は2度目の制覇。03年の春2冠馬ネオユニヴァースで一度、興奮と歓喜を味わっている。当時は顔にニキビができ、レース前日は眠れないほど緊張したという。外国人騎手として日本ダービーを勝っているのは自分自身だけ。ただ、今年は違う立場。JRA所属騎手として、念願の大舞台に立った。

 12年前と同様に1番人気に推された。「前の日は眠れたけど、食べられなかった」。2冠達成への期待。重圧がのしかかる。金曜には母から激励の電話があった。「“あなたならできる”と言われた」。母国で4年連続リーディングに輝き、東日本大震災直後の11年ドバイワールドCではヴィクトワールピサを駆って日本馬初Vを決めた。12年秋の天皇賞では天覧競馬をエイシンフラッシュで優勝。そして、JRA騎手免許試験にも合格した。

 これまでも、乗り越え、跳ね返し、栄冠をつかんできた。悲願達成に「JRAの騎手としてダービーを勝つことが夢だった。プレッシャーがあったけど、勝てて良かった」と、流ちょうな日本語で喜びを表現した。

 「日本のジョッキーになって良かった。日本のジョッキーになったんだという実感がより湧いた」。夢のひとつひとつを現実に-。挑戦はまだ始まったばかりだ。

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