【ダービー】デムーロ2冠へ直球勝負!

 「日本ダービー・G1」(31日、東京)

 思い切って右腕を振った。ミルコ・デムーロ騎手(36)=栗東・フリー=が26日、「日本ダービー応援デー」となった、甲子園球場の阪神-楽天1回戦で始球式に登場。ワンバウンド投球ながら、大役を果たし大観衆を沸かせた。皐月賞馬ドゥラメンテに騎乗し、主役として臨む週末の大一番。本職では堂々の“直球勝負”で2冠達成に挑む。

 いつもと違う歓声が、妙に心地よかった。M・デムーロは、03年にネオユニヴァースでダービーを制した時の勝負服に、タイガースの帽子をかぶって登場。球団カラーも意識した黄色と黒の縦ジマ姿で、真新しいマウンドに立った。バッターの楽天・福田に対し、セットポジションからの一球。ホームベース上でワンバウンドしてキャッチャー鶴岡のミットに収まると、ファンからは温かい拍手が送られた。

 「もっといい球を投げたいと思ったけど、下にいっちゃったね。残念」と思わず苦笑いしたが、投球後は3度帽子を取って丁寧に観客に一礼。聖地・甲子園球場での人生初の始球式を終え「スゴイ感動した」と興奮気味に振り返った。

 始球式の大役を果たした後は、親交のあるタイガースの選手に声援も送った。3月にはマートンとともに大相撲春場所を観戦。マートンの子どもたちと一緒に記念撮影も行った。「仕事や家族の話をした。彼はナイスガイ」。競技こそ違うが、ともに異国の地で奮闘する者同士、刺激を与え合った。この日、マートンは猛打賞を達成。大一番を前に、力強く背中を押された。

 3月にJRA騎手となって以降、周囲の支えの大きさを実感する毎日を送っている。先週は始球式を成功させようと、同い年の松田大作騎手の誘いで、京セラドームで草野球の試合に出場。この日の始球式前には、狩野ら虎戦士から「ダービー頑張って」と声を掛けられた。自身を応援してくれる、全ての人への感謝の気持ちを胸に、皐月賞馬ドゥラメンテで競馬の祭典に挑むつもりだ。

 「1日1日、ダービーが近づくにつれて噴火する前の火山のような感じになってきた。今は中にとどめて当日、爆発させたい。きょうも緊張したけど、もちろんダービーは違う気持ち。あそこが自分の仕事だからね」

 始球式でのノーバウンド投球はならなかったが、ターフではきっちりと結果を出す。JRAジョッキーとして生まれ変わり、移籍初年度から、いきなりビッグチャンスを得たミルコ・デムーロ。03年ネオユニヴァース以来、自身2度目となる牡馬2冠達成に向けて“全力投球”するだけだ。

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