【大阪杯】ルメール、ラキシスで重賞Vへ
「大阪杯・G2」(5日、阪神)
待ちに待った日がやってきた。JRA所属騎手としてのデビューを翌日に控えた2月28日夜、阪神競馬場の調整ルームで携帯電話を使用(ツイッターで外部と通信)したとして、3月1日から30日間の騎乗停止を科せられていたクリストフ・ルメール騎手(35)=栗東・フリー=が、4日の中山競馬でいよいよ“JRAのルメール”としてスタートする。大阪杯では昨年のエリザベス女王杯馬ラキシスに騎乗。いきなりの重賞ゲットを狙う。
遅ればせながら、決意も新たに、ルメールが“JRA”デビューを果たす。
ルメールは2日、「まずは、ミスをしてしまったことについて心からおわびしたいと思います」。待ちわびていたファン&関係者に謝罪の言葉を述べると、「長い休みになってしまいましたが、精いっぱい努力して、また新たな気持ちでスタートを切りたい。そう思っています」と力強く言い切った。
母国フランスのジョッキー・ライセンスを返上という、重い決断を下してJRA騎手試験にチャレンジし、見事に一発でクリア。これまでJRAでは245勝(うちG1・5勝を含む重賞18勝)を挙げる名手は、1カ月遅れでの新たな第一歩に、しっかりと準備を整えてきた。
未熟だった自分を改めて見つめ直し、昨年11月の落馬事故で痛めた右膝のケアに努め、ウオーキング、精力的な調教騎乗などを行ってきた。いまでは不安も消え、「グッドコンディション。とても楽しみだし、早く(競馬に)乗りたいです」と笑顔をふりまいた。
日曜阪神のメーン・大阪杯でペアを組むラキシスには、先週騎乗して特徴をつかんだ。「(前走の)有馬記念(6着)はいいパフォーマンスだったと思います。少し行きたがるところはありますが、レースでは問題ないはずです」と手応えを伝えた。
次週の桜花賞(コンテッサトゥーレ)、2週後の皐月賞(サトノクラウン)とビッグレースも目前。「クラシックでもいい馬に恵まれました。本当にありがたいことです」と瞳を輝かせた。“日本のルメール”がいよいよ動きだす。