【凱旋門賞】須貝師インタビュー2
「凱旋門賞・仏G1」(10月5日、ロンシャン)
今年こそ、日本競馬の悲願を‐。世界最高峰のレースとして知られる凱旋門賞・仏G1(10月5日・ロンシャン)が今週末に迫った。今年は日本から3頭が出走。実質日本初となる“同厩舎からの2頭出し”で挑むのが須貝尚介調教師(48)=栗東=だ。レーティング世界No.1を誇るジャスタウェイとG1・5勝馬ゴールドシップ。5歳勢の強力ツートップを送り込む心境を聞いた。
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ジャスタウェイは昨年の天皇賞・秋を4馬身差でV。本格化をアピールしたのち、ドバイデューティフリー→安田記念とG1・3連勝を決めた。
‐昨秋から馬が変わったように思えます。
「使いたい時期に無理をさせなかったのが良かったのでしょう。3歳時にはレース後に歩様が悪くなったり、じんましんが出たり。すぐ表面に疲れが出ていた。だから無理せず成長を促しながら育てたんです。安田記念の後は宝塚記念も視野に入れていましたが、凱旋門賞を考えると無理はできませんでした」
凱旋門賞は休み明けの馬が勝てないレースだ。近年で前走との間隔が最も開いていた馬は65年のシーバード(2カ月と29日)。ぶっつけ本番は厳しいとされている。
‐4カ月ぶりのローテについてはどうお考えですか。
「休み明けで走っている馬。“我慢”がジャスタウェイのいい状態をつくりあげてきましたからね。僕はこれがいいと判断しました。確かにデータは大切ですが、歴史は変わるものでしょう」
‐2400メートルは2年前のダービー11着以来です。
「血統背景や芝1800メートルで行われたドバイでの着差(2着に6馬身1/4)を見る限り、距離は大丈夫だと思いますよ」
一方、ゴールドシップは国内でG1を5勝。重い馬場で圧倒的な適性を見せてきた。気性的な難しさから時に惨敗するケースもあるが、横山典とコンビを組んでからは宝塚記念1着、札幌記念2着と崩れていない。
‐ここ2戦は本来のパフォーマンスを発揮できていますね。
「難しいというか、本当に賢い馬で。でも(横山)ノリちゃんがうまく理解して乗ってくれています。今までの騎手がどうこうではなく、たまたまそういうタイミングで騎乗してもらえたということ。仲のいい夫婦でもケンカはしますから。でも今は本当に仲が良さそうですよ」
‐前走の札幌記念はハープスターに届かず2着でした。
「斤量が5キロ差もあった。負けたけど強い競馬をしています。それに2000メートルですからね。今度は得意な2400メートル。もちろん、ヨーロッパの重い馬場も歓迎でしょう」
2頭は21日に現地入り。順調にメニューを消化している。
‐ここまでの調整に関してはいかがですか。
「日本では2頭で併せてしっかり負荷を掛けた。(渡仏後も含めて)今のところはうまくいってますよ。あとはとにかく無事に。普段からこの2頭は仲がいいんです。お互い、心強い存在になっていると思いますよ。胃が痛い毎日ですが(笑)、ともにいい状態で出走できるように最善を尽くしていきたいですね」