【クイーンS】キャトル驚速重賞初V

 「クイーンS・G3」(3日、札幌)

 ゴール前で3頭が横一線となる大接戦。早めに先頭に立った2番人気のキャトルフィーユ(牝5)が、10度目の重賞挑戦でタイトルを手にした。勝ちタイムの1分45秒7は、従来の記録を0秒7上回るコースレコード。角居師は小倉サマージャンプ(JG3)のメイショウブシドウに続き、2日連続、ディープインパクト産駒で重賞を制覇、同産駒は北海道重賞で初Vとなった。鼻差の2着にアロマティコ、1番人気のスマートレイアーが3着に続いた。

 北の大地に“ユーイチスマイル”がはじけた。堅実な半面、重賞Vにはあと一歩届かなかったキャトルフィーユがコースレコードで待望の初制覇。レース後、「作戦と全然違う」と笑う角居師とガッチリ握手を交わした鞍上は「臨機応変」と笑顔で返し、してやったりの表情だ。

 オツウが大逃げを打ち、前半1000メートルの通過が57秒8のハイペース。「2番手か、自分が逃げようと思っていた」という作戦は早期に崩れたが、この乱ペースでこそ、持ち味である堅実さが生きた。

 好位のインを器用に立ち回り、4角3番手で直線へ。最後は内、外から2、3着馬が強襲したが、何とか粘り込んだ。「返し馬で調子の良さを感じた。ハイペースの中で唯一、先行して残った。よくしのいでくれた」。殊勲の鞍上は着差以上の価値を強調した。

 福永はデビュー19年目にして、初めて夏の札幌開催に本格参戦。あいさつ代わりの重賞制覇で存在感を示した。芝1800メートルはスタンド前発走。「たくさんの人に声を掛けられた。いい結果を出せて良かった」と満足げに額の汗を拭った。

 土日、南北で重賞制覇を果たした角居師にとっても、この勝利は格別だ。「ずっと能力が高いのは分かっていたが2、3着ばかり。ようやくタイトルを獲れた」。今後は放牧で英気を養い、実りの秋に備える。「女の子なので基本的にはエリザベス女王杯(11月16日・京都)ですね」。重賞ウイナーとなった愛馬のさらなる飛躍を描いていた。

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