【アイビスSD】ライコウ“千の風”に
「アイビスSD・G3」(3日、新潟)
まさにスペシャリストの走りだ。1番人気に推された7歳馬セイコーライコウが完勝で重賞初Vを決めた。
「絶対に“千直”は合うはず。イメージはできています」。直線競馬初挑戦となった前々走の韋駄天S。レース前、柴田善は鈴木康師にそう伝えた。その言葉通り、馬なりのままで楽勝してみせた。
主戦は自分の見立ての確かさを重賞で再び、証明してみせた。楽な手応えで徐々にポジションを上げると、残り200メートル過ぎで先頭へ。そのまま後続の追撃を封じ込めた。これで直線競馬は2戦2勝。「今回も自信はあった。(直線競馬で不利とされる)内枠も気にならなかったよ。やっぱり直線競馬はいい」と胸を張った。
鈴木康師は99年ステイヤーズS(ペインテドブラック)以来の重賞V。約14年8カ月ぶりの美酒に、「きょうは12キロ減。このところ汗のかき方が少なく、夏バテを心配していたんだ。何とかギリギリ耐えてくれたね」と愛馬の精神力に感嘆した。
出走がかなえば、次はスプリンターズS(10月5日・新潟)へ。「(自身の定年まで)あと7カ月。何とか出走させたい」。JRA重賞は27勝目となったが、G1は未勝利。まだ夢は終わらせない。